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初愛 10

[366]  影山藍  2006-01-19投稿

慌てて手足をバタつかせても、貴方は「まだついてるよ」と言い続ける。
どこ!?と焦りながら聞くと、貴方はしょうがないなぁと私の腕をとって――
「ここ」

そっとはめられたのは、白い花の輪。
ひっそりと、私の左手の薬指に。

「約束しよう」

黙りこくってそれを見つめる私に、貴方は、


「一緒に幸せになろう」


この時位、貴方が格好つけで気取り屋で自分勝手で強引で、
愛しいと思った時はないだろう。

格好つけるな馬鹿、とか、あんたに幸せにしてもらえるの?とか、巧い事は言えなくて
私は静かにうなずいた。

幸せになろうね、と。


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