神龍湖ぱーと?-?
バアちゃんに通された部屋で、ボクとその男はしばらく黙っていた。ボクは、その内に先生の方が先に喋りかけてくるだろうと思っていたが、いくら経っても話し掛けてこないので、バアちゃんがこの部屋に来てくれたら、こっちから話し掛けようと決めた。決めた途端に、その男は、あのゾクッとさせる笑みを見せた。
しばらくしてから、バアちゃんが、お茶を持って部屋に来た。長くかかっていたから、いいお茶っ葉を探していたのだろう。バアちゃんが持っているお盆の上には、お茶の他にも、芋羊羹が乗っていた。バアちゃんは、ボクに笑いかけた。バアちゃんの笑顔は、ボクの目の前にいるこの男の笑みとは、正反対の心がとろけるような笑みだ。
「先生、夏休み明けからよろしく」
「こちらこそ。克君は、何の科目が好きなんだい?」
「国語です」
「嫌いな科目はなんだい?」
「算数です」
「そうか、じゃ先生の子どものころと一緒だね。先生も、算数が嫌いでね、教師になるときも苦労したよ。克君は、将来何になりたいんだい?」
「小説家です。本を読むのが好きで、いつかボクも自分の本を書いてみたいんです」
バアちゃんがびっくりしていた。そういえば、バアちゃんには言ってなかった。母さんは知ってる。続
しばらくしてから、バアちゃんが、お茶を持って部屋に来た。長くかかっていたから、いいお茶っ葉を探していたのだろう。バアちゃんが持っているお盆の上には、お茶の他にも、芋羊羹が乗っていた。バアちゃんは、ボクに笑いかけた。バアちゃんの笑顔は、ボクの目の前にいるこの男の笑みとは、正反対の心がとろけるような笑みだ。
「先生、夏休み明けからよろしく」
「こちらこそ。克君は、何の科目が好きなんだい?」
「国語です」
「嫌いな科目はなんだい?」
「算数です」
「そうか、じゃ先生の子どものころと一緒だね。先生も、算数が嫌いでね、教師になるときも苦労したよ。克君は、将来何になりたいんだい?」
「小説家です。本を読むのが好きで、いつかボクも自分の本を書いてみたいんです」
バアちゃんがびっくりしていた。そういえば、バアちゃんには言ってなかった。母さんは知ってる。続
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