ひとりぐらし×2の3(1)
「さむ」
冷たい目で見られた。
窓の外は雪が、叩きつけるように降っていた。
残念なことに、ファンヒーターの灯油が切れていて、たかだか六畳の僕の部屋をあたためる術はない。
「コタツはあるだろうが」
声が憮然となる。
あまり片づいているとはいえない部屋だが、この突然の吹雪から逃げたい一心だろう、制止を弾き飛ばして、灯は勝手に僕の部屋に上がり込んでいた。
「さむ。もぐりこんでいい?」
いうが早いか灯は首だけ出して全身を潜り込ませてきた。
シングルライフを想定した、小さなコタツであるからして、当然の帰結として、
「こらー!狭いっ。僕の足の置き場がないだろ!」
「いいじゃん。実はくっつけて嬉しいんじゃね?」
実際僕も男だから、考えなかったかと云えば嘘になる。しかし、そうからかわれては黙ってられない。
「な、バッカお前なん」
言い切る前に、蹴られた。
「っ、なにすん」
「コーヒー」
「あ?」
「コーヒー飲みたい」
「まさか淹れろってのかよ」
流石にちょっとイラッときた。声に険がかかったに違いない、灯はすいっと体を起こして、僕の顔を見上げるように見つめてきた。
「…あたしが淹れるからさ、お願い。寒いんだホントに」
「…そこの棚」
冷たい目で見られた。
窓の外は雪が、叩きつけるように降っていた。
残念なことに、ファンヒーターの灯油が切れていて、たかだか六畳の僕の部屋をあたためる術はない。
「コタツはあるだろうが」
声が憮然となる。
あまり片づいているとはいえない部屋だが、この突然の吹雪から逃げたい一心だろう、制止を弾き飛ばして、灯は勝手に僕の部屋に上がり込んでいた。
「さむ。もぐりこんでいい?」
いうが早いか灯は首だけ出して全身を潜り込ませてきた。
シングルライフを想定した、小さなコタツであるからして、当然の帰結として、
「こらー!狭いっ。僕の足の置き場がないだろ!」
「いいじゃん。実はくっつけて嬉しいんじゃね?」
実際僕も男だから、考えなかったかと云えば嘘になる。しかし、そうからかわれては黙ってられない。
「な、バッカお前なん」
言い切る前に、蹴られた。
「っ、なにすん」
「コーヒー」
「あ?」
「コーヒー飲みたい」
「まさか淹れろってのかよ」
流石にちょっとイラッときた。声に険がかかったに違いない、灯はすいっと体を起こして、僕の顔を見上げるように見つめてきた。
「…あたしが淹れるからさ、お願い。寒いんだホントに」
「…そこの棚」
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