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ナイト・オン・ドラグーン【51】話『永遠の別れ』

[558]  Milk  2007-01-21投稿
『すまない…兄さんが愚かだった…』
そう言って獄炎の守護者スウェンは亡き妹、リオを抱きしめたまま息途絶えた。

『っ…はぁはぁ…』
アインは茫然とその光景を目に焼き付けた。
最後の最後にスウェンは兄としての自覚を確信したのだと、アインは悟った。

剣を鞘に納める。
白い死に顔の二人に歩み寄った。

運命によって引き裂かれた兄妹。
兄は記憶を失い、獄炎の守護者として生きた。

妹は哀しみの傷を負いながらもひたすら兄を信じた。
『リオ…よかったな…君の兄さんはもうどこにもいかない。』
アインはリオの顔を見つめた。
安らかな顔で眠っている。
声を掛ければ起きそうだった。
だが、もうリオはいない。静けさだけが漂う。

拳が震えた。
自分は守られた。
本来ならば、自分が死んでいた。
しかし、リオが自分の盾になった。

『俺っ…リオを守るって…守るって言ったのにっ』

自分の力のなさにいらついた。
結局、自分は守られた。

こんな悲劇を生み出す黒幕はわかっている。

世界崩壊を防ぐために封印の塔などと偽り、造った。
封印騎士団。

彼等のやっていることは徹底した弾圧。
世界の頂点に立とうとしている横暴さ。

不意に忌み嫌う封印騎士団長ジークが浮かんだ。

『…許さない…封印騎士っ』
アインは怒りにうち震えた。
背後で燃えていた獄炎の鍵も消え去っていた。

塔が崩れ落ちるのも時間の問題だ。

スウェンとリオをもう一度見た。
さようなら…リオと、呟きアインは走った。
確かな足取りで。
出口へ向かう。

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