携帯小説!(PC版)

motel

[404]  2007-01-21投稿
もうすぐ一年がたつ。今年もやっと終わる。
部屋のベットの上に寝転がりながら、壁に貼られたカレンダーを見た。ゆっくり起き上がり、27日に黒い斜線をひく。
「ちょっと!!」
いきなりドアを開けて、ママが入ってきた。
「ノックくらいしなよ。」私は、背を向けたままボソリとつぶやいた。
彼女は、私にわかるようなあからさまな溜め息をつく。そして、ヒステリックな声で話だした。
「そんな事より!明日からおばあちゃんの家に行くんだから!!早く荷造りすましちゃってよ!!わかった!!」
彼女は、言いたい事だけ言ってドアを荒々しく閉め、出ていった。
私も溜め息が出た。
彼女とは、血のつながりはない。本当のママは、私が小さい時にパパと離婚し、私を置いて出ていった。それきり会った事はない。
今は四人家族で幼い弟がいる。私とは十六歳違い。彼とも、血のつながりはない。
同じ屋根の下に居ても、私は浮いていた。
あきらかに、私は邪魔だった。特に、彼女からしてみれば。
パパの前では、私に対していい母親を演じてみせる。でも、パパがいない時は態度が急変する。
暴力をふるわれないだけましかと思い、彼女の皮肉を聞き流してきた。

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