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あなたはあなた

[223]  gen  2007-01-24投稿
 まるで私はひとりの女とともに気持ちを共有しているかのようだった
 どういうことかといえば
 彼女が嬉しかったら私は嬉しくなってしまう
 彼女が哀しかったら私は哀しくなってしまう
 そういうこともあるのかもしれない
 だからそばにいてくれたらと願った 
 いつだってそこにいてくれることを望んでいた
 だけどどうだろう
 そんなに上手くはいかないもの
 すべてを失ってみてはじめて
 大切なことについて振り返ることができるのかもしれない
 ただあなたの存在があって
 そして思いや想いだけがあって
 一緒にいた時のことだけが脳裏へとふたたび浮かんでくる
 あの時の感情はどこへいった
 けっして忘れることなんて出来やしないのに
 しだいにうっすらと
 受け取ったはずの感覚だけは薄れていく
 そうして懐かしさだけが残っていって
 ゆっくりと私の中で沈み続けていく
 そこにはやさしさがあって
 やさしさがあって
 ただやさしさだけがあった
 だけど私はひどかった
 醜かった
 そしてぶれていた ずれていた
 もしかしたらぼけていたのかもしれない
 いつまでもそこにいてくれたらと願った
 それはまるであなたのファンのように気がすむまでそうしていられればと望んでいた
 それと同時にまた
 そのすべてを独り占めしたいと求めだしてしまう
 ふたつの思いや想いが生まれていって
 しだいに苦しくなってきてしまう
 内の中で張り裂けていくかのような感じだった
 いつだって言葉はあとからついてきて
 苦しみの理由なんてその時には知ることもできない
 そうして時が過ぎ去っていってやはり
 その時その場所でのこと
 ただ 存在
 なにひとつ変わりはしないのだということを思い知らされる
 私は何かを ただ大切にし過ぎていただけなのかもしれない


感想

  • 6218: 良かったです?が、最後の一節の後に、さらに何か付け足せばもっと良くなると思います。例えば、『だから他の全てを見ようとしなかったんだ』みたいな。 [2011-01-16]
  • 6230: >>6218 それは好みの問題。 [2011-01-16]

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