ナイト・オン・ドラグーン【53】話『幼き日の誓い。前』
−…約束よ、アイン。−
−うん、約束しよう−
いつだったか、エリスはアインと大切な約束を交わしたのを覚えている。
まだ二人とも正式な封印騎士団ではない、訓練生だった頃だ。
その日、エリスはアインをアンクレット城の中庭に呼び出した。
『どうしたんだ?こんなとこに呼び出して。』
『こっち来てくれるかしら?』
渋々ながらもアインは言われた通りに歩み寄ってきた。
『用事ならべつに他の場所でも…』
アインの言葉を遮るようにエリスは剣を差し出した。
『剣…?エリス、これは?』
『今から、わたくしと手合わせしてもらえる?』
訳がわからないと、アインが言おうとした時だった。
エリスの右手が突き出すように唸った。
その手に持っているのは槍。
『うぉっ!?』
咄嗟にそれを避ける。
が立て続けに突き出される。
『避けてばっか!?わたくしを斬る覚悟で来なさいアイン!』
薙ぎ払う、かのように横に槍を振る。
『やめろっあ、危なっかしい!』
アインは横からの攻撃を剣で防御するが、弾き飛ばされてしまった。
『あっしまった!』
吹き飛ばされ、空中で回転しながら遠くの地面に突き刺さった。
『はい、一本!わたくしの勝ちよ』
そう言うとエリスはアインに手を差し出した。
アインはそれを受け取り立ち上がる。
『って〜いきなりなんなんだよ〜』
『だから、手合わせって言ったじゃない』
エリスは微笑む。
『エリスのほうが強いに決まってるだろ〜?ったく』
『今はね…』
俯き加減に喋るエリスをアインは問い掛けた。
『エリスは誰よりも強い騎士になれるさっ。きっと』
『アイン、よく聞いて。』
『ん…?』
『わたくし、今日「女」になったの…』
意味のわからない表情をアインはしてみせる。
『あ…うん。それは知ってるよ?』
『わたくしはこれから、血を流し続けなければならないわ…』
『…?』
『わたくしはきっと誰よりも弱い存在になるわ…封印騎士団の中で』
やはりアインにはいまひとつだが、理解してみせた。
『心配ないよ、エリス』
『え…?』
『俺が強い騎士になってエリスを守ってやるよ』
『アイン…』
−うん、約束しよう−
いつだったか、エリスはアインと大切な約束を交わしたのを覚えている。
まだ二人とも正式な封印騎士団ではない、訓練生だった頃だ。
その日、エリスはアインをアンクレット城の中庭に呼び出した。
『どうしたんだ?こんなとこに呼び出して。』
『こっち来てくれるかしら?』
渋々ながらもアインは言われた通りに歩み寄ってきた。
『用事ならべつに他の場所でも…』
アインの言葉を遮るようにエリスは剣を差し出した。
『剣…?エリス、これは?』
『今から、わたくしと手合わせしてもらえる?』
訳がわからないと、アインが言おうとした時だった。
エリスの右手が突き出すように唸った。
その手に持っているのは槍。
『うぉっ!?』
咄嗟にそれを避ける。
が立て続けに突き出される。
『避けてばっか!?わたくしを斬る覚悟で来なさいアイン!』
薙ぎ払う、かのように横に槍を振る。
『やめろっあ、危なっかしい!』
アインは横からの攻撃を剣で防御するが、弾き飛ばされてしまった。
『あっしまった!』
吹き飛ばされ、空中で回転しながら遠くの地面に突き刺さった。
『はい、一本!わたくしの勝ちよ』
そう言うとエリスはアインに手を差し出した。
アインはそれを受け取り立ち上がる。
『って〜いきなりなんなんだよ〜』
『だから、手合わせって言ったじゃない』
エリスは微笑む。
『エリスのほうが強いに決まってるだろ〜?ったく』
『今はね…』
俯き加減に喋るエリスをアインは問い掛けた。
『エリスは誰よりも強い騎士になれるさっ。きっと』
『アイン、よく聞いて。』
『ん…?』
『わたくし、今日「女」になったの…』
意味のわからない表情をアインはしてみせる。
『あ…うん。それは知ってるよ?』
『わたくしはこれから、血を流し続けなければならないわ…』
『…?』
『わたくしはきっと誰よりも弱い存在になるわ…封印騎士団の中で』
やはりアインにはいまひとつだが、理解してみせた。
『心配ないよ、エリス』
『え…?』
『俺が強い騎士になってエリスを守ってやるよ』
『アイン…』
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