ナイト・オン・ドラグーン【55】話『荒くれ者の町』
[錆の町]は[水の村][焔の町]とはおよそ共通点のない場所だった。
町の周囲には高い防壁が築かれ、人の出入りは正門と北門の二カ所からに限られていた。
この防壁のおかげで、この町は帝国軍による侵略、破壊大戦を免れたのだと聞いた。
しかし、住む者、訪れる者には不便この上ない。
正門も北門も夜には閉鎖され、一切の出入りが禁じられてしまう。
幸いアインたちが町に着いたのは夕刻で、閉門の直前だった。
『門を閉鎖するのは、実は客を逃がさないためだと聞いたことがあります。』
『客って?』
『ここ錆の町は、住むというより遊ぶ町。表通りを歩くには静かですが、裏通りに入ると酒場や賭場の類が軒を連ねているんです』
マナの言葉どおり、辺りは静まり返っていた。表通りに面した建物は、どれも扉や窓を固く閉ざしてしまっている。
『日が暮れてから外を歩くのは危ないということなんでしょうね』
それでもこの町にやって来たのは、封印の塔についての情報を得る為だった。
封印騎士団を抜けた男が潜伏しているらしいというのだ。
騎士団にいたからといって情報を持っているとは限らないことをアインは知っている。
自分がそうだからだ。
ただ、騎士団を抜けるというのは何かの事情があったことを意味する。
自ら望んで、退団できるものではないし、降格されることはあっても団員の資格まで剥奪されることは滅多にない。
おそらくは逃走だろう。
騎士団員が騎士団員でなくなるには、それしかない。
ただ、逃走の罪は重い。
捕まれば死が待っている。そこまでして逃走を図るからには、何か事情があるはずだ。
命懸けで騎士団から逃げなければならない、何かが。
『青髪の男…なんているのかな?』
聞けば、その男は青い髪の少年らしいのだが…
青髪と聞かされてアインは親友のジャックを思い出した。
(ジャック…じゃないよな)
『ええまずはそれを確かめなくては』
夕闇は次第に濃さを増していく。
表通りから、アインとマナが裏通りに入った時だった。
稟と静まる空気が変わった。
町の周囲には高い防壁が築かれ、人の出入りは正門と北門の二カ所からに限られていた。
この防壁のおかげで、この町は帝国軍による侵略、破壊大戦を免れたのだと聞いた。
しかし、住む者、訪れる者には不便この上ない。
正門も北門も夜には閉鎖され、一切の出入りが禁じられてしまう。
幸いアインたちが町に着いたのは夕刻で、閉門の直前だった。
『門を閉鎖するのは、実は客を逃がさないためだと聞いたことがあります。』
『客って?』
『ここ錆の町は、住むというより遊ぶ町。表通りを歩くには静かですが、裏通りに入ると酒場や賭場の類が軒を連ねているんです』
マナの言葉どおり、辺りは静まり返っていた。表通りに面した建物は、どれも扉や窓を固く閉ざしてしまっている。
『日が暮れてから外を歩くのは危ないということなんでしょうね』
それでもこの町にやって来たのは、封印の塔についての情報を得る為だった。
封印騎士団を抜けた男が潜伏しているらしいというのだ。
騎士団にいたからといって情報を持っているとは限らないことをアインは知っている。
自分がそうだからだ。
ただ、騎士団を抜けるというのは何かの事情があったことを意味する。
自ら望んで、退団できるものではないし、降格されることはあっても団員の資格まで剥奪されることは滅多にない。
おそらくは逃走だろう。
騎士団員が騎士団員でなくなるには、それしかない。
ただ、逃走の罪は重い。
捕まれば死が待っている。そこまでして逃走を図るからには、何か事情があるはずだ。
命懸けで騎士団から逃げなければならない、何かが。
『青髪の男…なんているのかな?』
聞けば、その男は青い髪の少年らしいのだが…
青髪と聞かされてアインは親友のジャックを思い出した。
(ジャック…じゃないよな)
『ええまずはそれを確かめなくては』
夕闇は次第に濃さを増していく。
表通りから、アインとマナが裏通りに入った時だった。
稟と静まる空気が変わった。
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