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ひとりぐらし×2の3(2)

[220]  2007-01-26投稿
 ぴょろろ、と気の抜ける音がして、薬缶が蒸気を吐くまでにはたっぷり10分はかかっただろうか。コタツから這い出た灯はマグカップにコーヒーをつくっていく。
 僕はその背中をぼーっとながめていた。
 細い背中だ、それに思っていたより背も低いかも。肩くらいでシャギーの入った髪は、うっすらと栗色がかって、しなやかに左右にゆれる。
 そう云えば、この自分の部屋で灯の顔を見るコトは何度もあった。何かにつけて上がり込み、そのたびイタズラでひっかき廻していく灯からは目が離せない。
 気にかけて背中から見るのは初めてだった。
「アツは砂糖は?」
「あっ…」
 肩越しに掛けられた声に、思わずはっ、としてから気づいた。
 まてまて、これじゃ見とれてたみたいじゃん僕。
「あ、いや、砂糖もミルクも多め」
「ふーん。具体的に云わないということはおまかせと云う」
「あーまかせた」
 珍しく投げやりに返したのは照れ隠しみたいなものだったが、彼女は驚いた様だった。
「いいの?あたしのコトだから砂糖がコーヒーより多いとかイタズラするかもよ?」
「まずかったら寒空に叩き出す」「それはカンベン…はい」
 コタツにおかれた湯気のたつ二つのマグ。片方を取り、口をつけた。

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