愛したい...(10)
「お兄ちゃ〜ん
卵何個〜?」
「え〜2コとって〜」
俺はましろにとりあえず飯を作ってやる事にした
「てかお前座っとけよ!疲れてるやろ」
「へーきへーき!!」
ましろは笑顔で卵をかかえて俺の方へ小走りしてくる
連れてきといて何やけど…
コイツには警戒心というものがないんだろうか
まあ俺も俺やけど…
どこぞの分からん家出娘部屋に入れて
これ犯罪?笑
―\r
「うわ!おいし〜!お兄ちゃん意外と料理うまいんだね!」
2人で部屋にある
黒色でまるこいミニテーブルを囲みながら
ましろは笑顔でオムレツを頬張る
「意外ってお前ね…」
俺は肩ひじをつきながらましろを横目に喋る
「あれ?お兄ちゃんの分は?」
無視かい
「俺朝は食わんから」
「健康お粗末にしちゃだめだよ!!」
「お粗末って…」
「はい!!」
スプーンで一口くらいすくい俺に差し出された
「はぁ…」
朝から入らないんですけど…
「…ましろ1人で食べるのやだよ…」
も〜…
「分かった分かった!」
俺は渋々目の前のものを食べた
「おいしいでしょ!」
「まあ俺が作ったから」
「あ!そうだった!」
「ブハッ」
思わず吹いた
「?」
「天然とかありえんわ笑」
「ありえん?」
「有り得ない」
「なるほど!!」
-シュボッ―\r
俺は胃にちょっとでもものが入ると
タバコを吸うクセがある
ましろは飯を食うとすぐに寝てしまったのでベッドに運んだ
ちびのコイツを持ち上げるのは大差ないが
寝てる人間はやっぱ結構重い
寝てるとさっきまでのガキっぽさはなく
それ以前に不謹慎だが
整った顔立ちをしているせいか
綺麗
「年齢不詳やな」
俺はゆっくりベッドに腰掛けながら
前かがみにタバコをふかしていた
「コイツどうしよかな…」
「お兄ちゃん…」
突然ましろがつぶやいたので
少し焦った
「あっごめん
起こした…?」
「…」
「寝言か…」
「おいてかないで…」
「…」
寝言でか細く放った言葉が
俺に重くのしかかった
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