ナイト・オン・ドラグーン【58】話『青き獅子』
アインは信じ難かった。
永年連れ添ってきた親友がこんな形で自分を欺くことが。
そしてさっきの剣撃。
いつジャックが剣を抜き、いつ踏み込んだのか、アインの知らない力がジャックに宿っていることは確かだった。
『ジャック…!お前!?』
親友だと思っていたのに、裏切られた気分に浸る。
『そこをどけ!俺はその女を斬る』
ジャックの眼光が鋭くなる。
『やめろ!俺はマナに惑わされているわけじゃない。』
『アイン…』
背でマナを庇う。
『アイン、自分が今何をしているのかお前、本当にわかってんのか!?』
『俺は、自分の意志でここまで来たんだ。今さら引けない!』
ここで諦めてしまっては、封印の塔によって命を失った人々に申し訳がない思いに駆られた。
ジャックは軽く息を吐く。
『じゃあもう一度だけ、友として言わせてもらう。こんなことはもうやめろ!お前は静かな所で暮らすんだアイン』
『それはできない。俺はすべての塔を解放させる!それが…死んでいった仲間との約束だから…!』
ジャックは剣を抜いた。
アインは知っている、ジャックは真剣勝負という時、必ず二刀を持つ。
封印騎士団の中でも異色の二刀流の騎士だった。
『それが…お前の答えか。なら俺は、封印騎士団として反逆者のお前を討つ!』
『ジャック!!?』
ジャックが踏み込んだ。
二つの剣がアインの剣を弾く。
今までにない力強さ。
幼い頃からジャックと共に稽古漬けだったが…
ジャックの剣にはなにかまがまがしい力を感じる。
それにさっきの男達を追い払った黒い炎。
それはアインの知るジャックではなかった。
『やめろっ!お前とは戦いたくない!』
たまらず必死で叫ぶ。
だが、ジャックの剣は止まらない。
乾いた金属が何度も響く。
『戦いたくないだとっ!?俺以外の奴らはみんな薙ぎ払ってきたんだろ!』
言われてみれば、敵の封印騎士団とはいえ自分はたくさんの命を奪った。友だからと言って躊躇してしまうのはもどかしい。
『くっ…!!』
アインはひたすら剣を受け止め続ける。
『お前を逃がしたのはこんなことさせるためじゃねぇ!なのにっ…なんだお前は!?』
ジャックの剣が止まった。
永年連れ添ってきた親友がこんな形で自分を欺くことが。
そしてさっきの剣撃。
いつジャックが剣を抜き、いつ踏み込んだのか、アインの知らない力がジャックに宿っていることは確かだった。
『ジャック…!お前!?』
親友だと思っていたのに、裏切られた気分に浸る。
『そこをどけ!俺はその女を斬る』
ジャックの眼光が鋭くなる。
『やめろ!俺はマナに惑わされているわけじゃない。』
『アイン…』
背でマナを庇う。
『アイン、自分が今何をしているのかお前、本当にわかってんのか!?』
『俺は、自分の意志でここまで来たんだ。今さら引けない!』
ここで諦めてしまっては、封印の塔によって命を失った人々に申し訳がない思いに駆られた。
ジャックは軽く息を吐く。
『じゃあもう一度だけ、友として言わせてもらう。こんなことはもうやめろ!お前は静かな所で暮らすんだアイン』
『それはできない。俺はすべての塔を解放させる!それが…死んでいった仲間との約束だから…!』
ジャックは剣を抜いた。
アインは知っている、ジャックは真剣勝負という時、必ず二刀を持つ。
封印騎士団の中でも異色の二刀流の騎士だった。
『それが…お前の答えか。なら俺は、封印騎士団として反逆者のお前を討つ!』
『ジャック!!?』
ジャックが踏み込んだ。
二つの剣がアインの剣を弾く。
今までにない力強さ。
幼い頃からジャックと共に稽古漬けだったが…
ジャックの剣にはなにかまがまがしい力を感じる。
それにさっきの男達を追い払った黒い炎。
それはアインの知るジャックではなかった。
『やめろっ!お前とは戦いたくない!』
たまらず必死で叫ぶ。
だが、ジャックの剣は止まらない。
乾いた金属が何度も響く。
『戦いたくないだとっ!?俺以外の奴らはみんな薙ぎ払ってきたんだろ!』
言われてみれば、敵の封印騎士団とはいえ自分はたくさんの命を奪った。友だからと言って躊躇してしまうのはもどかしい。
『くっ…!!』
アインはひたすら剣を受け止め続ける。
『お前を逃がしたのはこんなことさせるためじゃねぇ!なのにっ…なんだお前は!?』
ジャックの剣が止まった。
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