第一章☆出会い…
これは最初で最後の儚い夢物語…。
初めて人を本気で愛したのは彼が初めてだと思う…。
あの日、私は彼の涙を見て綺麗だと思った。そして街中で、ざわついた人々の賑いだ声や音楽が一瞬にして音を無くし走馬灯の様に私と彼の回りを、ゆっくりと流れた。
「あなたは何故そんなに切なく泣いているの?」
私は心の中で、そっと呟いた。
自分ども分からない…けど何故だか放っておけなくて、私は見ず知らずの彼を抱き締めていた。
彼は私の小さな腕に抱かれながら静かに泣いた。
お互い会った事も話した事も無い同士なのに…。
ゆっくり流れていた時間が元に戻ったかの様に再び賑いを取り戻す。
声を掛けて来たのは彼の方からだった。
「すみませんでした…」と私の耳元で掠れた声で小さく彼が呟いた。
私は彼の声に我に返ったかのように急に恥ずかしくなり抱き締めていた腕を慌てて放した。恥ずかしくて、どうにも彼の顔を見る事が出来ないでいると…
彼が私の顔を覗き込んで来た。
「だ…駄目…っ。見ないで」両手で顔を覆い込む。
「…ごめんね。」
彼は、一言だけ、そう言い残し、何処かへ行ってしまった。
私は声を掛ける事も彼の顔を見る事も無いまま、居なくなってしまった彼の姿を、ただ探してしまった。見て無いのに探したって分かる訳ないのに…。
時間だけが過ぎていき、明るかった空が、うっすらと夜の色に辺りを染め始める。
「…声、かければ良かったなぁ」
不意に呟いた言葉に、私は…ドキンッと胸が高鳴るのを感じた…。
また会えます様に。静かに、そっと空の星へと囁いた。
☆続く☆
初めて人を本気で愛したのは彼が初めてだと思う…。
あの日、私は彼の涙を見て綺麗だと思った。そして街中で、ざわついた人々の賑いだ声や音楽が一瞬にして音を無くし走馬灯の様に私と彼の回りを、ゆっくりと流れた。
「あなたは何故そんなに切なく泣いているの?」
私は心の中で、そっと呟いた。
自分ども分からない…けど何故だか放っておけなくて、私は見ず知らずの彼を抱き締めていた。
彼は私の小さな腕に抱かれながら静かに泣いた。
お互い会った事も話した事も無い同士なのに…。
ゆっくり流れていた時間が元に戻ったかの様に再び賑いを取り戻す。
声を掛けて来たのは彼の方からだった。
「すみませんでした…」と私の耳元で掠れた声で小さく彼が呟いた。
私は彼の声に我に返ったかのように急に恥ずかしくなり抱き締めていた腕を慌てて放した。恥ずかしくて、どうにも彼の顔を見る事が出来ないでいると…
彼が私の顔を覗き込んで来た。
「だ…駄目…っ。見ないで」両手で顔を覆い込む。
「…ごめんね。」
彼は、一言だけ、そう言い残し、何処かへ行ってしまった。
私は声を掛ける事も彼の顔を見る事も無いまま、居なくなってしまった彼の姿を、ただ探してしまった。見て無いのに探したって分かる訳ないのに…。
時間だけが過ぎていき、明るかった空が、うっすらと夜の色に辺りを染め始める。
「…声、かければ良かったなぁ」
不意に呟いた言葉に、私は…ドキンッと胸が高鳴るのを感じた…。
また会えます様に。静かに、そっと空の星へと囁いた。
☆続く☆
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