携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> カルテット

カルテット

[376]  葉っぱ  2007-02-03投稿
父さん、母さん、元気にしてる?
はは、ごめんね、死んでるのに元気もなにもないか
父さん達が交通事故で亡くなって今日でもう10年になるね、
幼少期から両親不在で大変だったけど、でも気にしてないよ、
たった5年くらいだけど父さん達といた時間は僕の心の中にいつまでもあるから。
…でも恨んでいます。それは…

「ゆうじ!いつまでも線香あげてないで、早く朝飯、朝風呂の準備、洗濯、掃除をしなさい!」
女の子の声とは思えないくらい声を張り上げ、女の子の言う事とは思えない要求が飛んできた。
僕は男だ。女にそんな命令口調で雑用を押し付けられると文句の一つや二つは頭に浮かんでくる、だが結局浮かぶだけ。
口には出ない。
口に出したらどんなことになるかはこの10年でわかっているつもりだ。
だから僕はこう言う。
「ごめん、やよい姉!すぐ準備するよ!」
なんて意気地のない男、なんで思わないでくれよ。
生きるためにはプライドも偏見も捨てなきゃならないんだ。
「よろしい!朝飯はそうねぇハンバーグが食べたいわ!」
またもや女の言いそうにない要求。
どこの世界に朝からハンバーグ食べたいとぬかす女がいるんだ。
この文句も頭に浮かぶだけ、口にはでない。
「わかった!ちょっとまってて!」
なぜ僕がこんなにもこの女の子に…いやこの女の子“達”に逆らえないのかは、僕の両親が亡くなったあと僕の両親の親友が僕を養子にむかえてくれたからなのだ。(養子といっても、しっかりとした手続きはしていないので法律的には認められていない。いわゆる居候だ)
しかし、こんな事は一人の男が女を恐れる理由には値しない。
僕がこの女の子“達”を恐れる理由はもっと単純に怖いからだ。
この子“達”は僕を小さい頃から執事の用なものと考えて育ってきた。だから扱いが酷いなんでものじゃない。
しかも今は両親不在中。思春期の大事な時期に不在となれば、皆さんそれはそれはひねくれて育っていった。
やはり少年犯罪は親の育て方に問題があるんだ。

さて、先程から女の子“達”強調してたのにはわけがある。
訳といっても言葉の通りの意味。
そう、“達”なのだ。

一人ならやってけたかもしれない、しかしあんな強敵が僕には、あと三人いる。
父さん、母さん、恨みます……

感想

感想はありません。

「 葉っぱ 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス