携帯小説!(PC版)

トップページ >> その他 >> じぃちゃん

じぃちゃん

[378]  ハルカ  2007-02-04投稿
「ええっ!二百万、銀行に振込んだ?!」
頷く相手の正気を疑うのはこんな時だ。おいおい、勘弁してくれよ。
「それ、ホントに娘さんだった?ちゃんと本人だって確認した?」
「だって」
八十を越した老人が使っても可愛くない。
「あれは清香の声だったんだよ。警察の人も横にいたし」
「だ〜から、それが怪しいって…ああもう、それ、オレオレ詐欺だって言ってんの!」
「清香はオレオレ、なんて言わないよ」
「…俺の言い方が悪かった。振込め詐欺だ」
「テレビで注意してるやつかい?」
「そう!それ。ほら、早く警察に」
「でも、あれに出てくるのは男だよ。女の子の例は見たことない」
このジジイに応用機能はついてないのか。屁理屈こねやがって。
広い縁側で、じぃちゃんは更に言う。
「まぁいいさ。清香じゃなくても、二百万で困っている人を救えたんだ。安いもんだ」
ああ、脱力…。
そりゃ、大金持ちのあんたにはなんでもない金かもしんないけどさ。
「なぁじぃちゃん。近所且つ、晩飯差し入れよしみでちょっと言わせてもらうけど」
「何だい」
「あんたは人が善すぎる!」
眉間に皺を寄せた俺とは反対に、じぃちゃんはにこにこ笑っていた。

感想

  • 6289: おっ、良いんじゃないの☆素敵です [2011-01-16]
  • 6307: ども!御感想、ありがとうございます。By ハルカ [2011-01-16]
  • 6344: すごくイイと思いました!! [2011-01-16]
  • 6398: 御感想、ありがとうございます、嬉しいです! Byハルカ [2011-01-16]

「 ハルカ 」の携帯小説

その他の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス