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GAME 16

[369]  るぅ  2007-02-04投稿
言い切った瞬間、ぼやける視界のなかでシンが動いた。

熱い指が私の手首を掴む。

振り払う暇なんてなかった。


ギュッッッ


カラッポになった私に、シンの体温が染み込んでくる。

それはあまりに心地よくて、でもあまりに切なくて――


「………しぃ…-」

「え?」

耳元で囁かれた言葉。小さすぎて聞こえない。

黙って待っていると、シンが腕に力を込めながらはっきり言った。

「すっげぇ嬉しい!!」



は?


ちゃんと話聞いてたの?
意味わかんない。

抱き締められてるから顔は見えないけど、多分満面の笑み……。

「なにそれ…っ!」

シンの胸に手を当てて精一杯引きはがそうとする。

でも全然だめだ。びくともしない。

シンこんなに力強かったんだ………なんて感心してる場合じゃない。


「ふざけないでよ…っっ!!」
「ふざけてねぇよ。」

急に真剣な声。
思わず力を抜くと、シンはさらに私を抱き締めた。

「なんだ…レイコもちゃんと俺のこと好きだったんだ…。俺だけかと思ってた。」

心底安心した〜みたいに息を吐く。
胸が熱くなると同時に、キュッと痛んだ。

――好き――

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