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善悪?

[443]  森田  2007-02-06投稿
亜裕実と聡、三人で学食を食べに食堂へ来た。


聡『で、どうだよ?琴海ちゃんとは仲良くなれそうか?』


空いているを探して歩いていると、聡が話しかけてきた。


亜裕実『………』


赤実『なんで友達にならなきゃならないんだよ』


正直転校生なんかにゃ興味はない。


聡『あの子なら赤実のこと知らないから、仲良くなれると思ったんだぜ?』


亜裕実『そういうものなの?』


恐る恐る亜裕実が口を挟んだ。


聡『だってこいつ、友達いないじゃん』


亜裕実『それは、そうかも知れないけど…』

赤実『別に無理して作るもんじゃないだろ?』


俺は嘆息しながら肩をすくめて見せた。


聡『そんな態度だから、友達だできないんだろ』


赤実『だから、無理して作るもんじゃないだろ』


亜裕実『うんうんっ、無理して友達を作る必要はないよね』


何故か、亜裕実が安心していた。


聡『そんな、亜裕実ちゃんまで』


亜裕実『あ、えと…誰かと仲良くなるのは赤実くんの自由だし、それが嫌いな人だったら、なお更だよ』


聡『…それは、そうだとさ』


おぉ!亜裕実が聡を論破した!


赤実『よく言った、亜裕実』


頭を撫でてやる。


亜裕実『えへへっ』


聡『…暗い奴』


赤実『…っ…雑談は終わりだ』


学食に向かうのは、俺達だけじゃない。


学園の食堂とは、全校生徒が入り乱れる戦場なのだ。


赤実『ちっ…出遅れたぶん損したか』


混雑する学食を見て、毒づく。


普通に並んで買うなんて規則、誰も守っちゃいない。


聡『よっしゃ、行くぞ!』


バカが特攻していく。

赤実『亜裕実、席二つ頼んだ』


亜裕実『聡くんのは席は必要ないんだね!了解!』


聡はどうせ、帰ってはこないだろう。








俺は今日の戦利品、日替わり定食を口に運ぶ。


亜裕実『おいしいなぁ』


俺が一緒に買って来た日替わり定食を食べ、感想を漏らした。


聡『やっぱうどんは日本の心だよなぁ』


運よく学食を買えた聡が、うどんを啜る。


赤実『聡、なんか言いたいことないか?』


聡『別にない…気にしないでくれ』


聞かれたくなかった事を問われた様だ。


聡『足、疲れないか?』


聡『…ほっといてくれ』


切なそうな顔になる。

赤実『素直に席くださいって言えよ』

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