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LAST SUMMER#4

[416]  SETTARMEN  2007-02-13投稿
3月13日AM10時

ランニングとブラジル体操(ダッシュなどを組み込んだ体ほぐすためのメニュー)を終えると
カズマが
『キャッチボール!!』
と声をかけた

『ヘーイ!!』とみんなが合わせた

ベンチに座り、みんなが紅白戦のメンバーがどうとか、昨日のTVがどうだったとか
いろいろ話をしながらスパイクに履き変えていると

一台の軽自動車がグランドの前に止まった。

その瞬間、部員全員が話をやめ車の方を見た!

そう!遂に藤城中野球部の監督が到着したのだ!

監督の名は
曽我端勝利(ソガハタカツトシ)

藤城町の水道工事会社に勤務していて、ボランティアで教えにくるいわゆる『外部コーチ』と呼ばれるものだ。

曽我端さんは昔から藤城中の野球部の監督をしていて、『鬼の曽我端』なんて呼ばれたりしている。

また、指導者だけではなく審判の腕も一流で、県の審判部長も務めている。


今井先生と同じ歳で今年で45歳になる……

しかし、白髪まじりの髪に眼鏡、しわくちゃな顔は45よりも老けて見えるのは俺だけだろうか…?


カズマが
『チャース!!』
と沈黙を破ると
全員でいつもより大きな声で
『チャース!!!』
と挨拶をした。

軽く会釈をした曽我端さんは、すぐに3塁側のベンチにいる今井先生のところに向かい話をしていた。


リュウヤが小声で
『たぶんショウの事だぜ…』
と言った。

それを聞いた瞬間、俺も含めて全員の背筋が凍った…

なぜなら理由はひとつ。

ショウの喫煙問題で頭にきてるだろうと思われる曽我端さん………


そのとばっちりがおそらく来るであろうとみんな予想しているのだ…

曽我端さんの機嫌の良し悪しを気にしながらも、雪の残るグランドでキャッチボールをした。


今日の相手は
丸山慶太(マルヤマケイタ)だ。
常にポジティブでお調子者な奴。
はっきり言って元気だけで一塁のレギュラーを奪ったような男だ。

『今日の曽我端さんやばくねぇ?』

当たり前のような事をケイタが言った。

『そうだな…』

と、そっけなく俺が答えたとき…………


問題児の天堂寺翔がグランドに現れた…

修羅場の始まりだった………。

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