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異界の住人?

[702]  朝倉令  2007-02-13投稿


「も〜…っ、本当なんだからぁ!あたし本物の白虎と青竜をみたの!!」


「はいはい、姫のおおせの通りで…」


「愛、それ新しいSF小説のネタだろ? …ナイショでストーリー教えろよ。な?」


「だから何回も言ってんじゃない、事実だって…。
由紀恵も健次もひとの話ちゃんと聞きなさい!」



「じゃあ、質問イチ〜。
どっちがイケメンですか?」


「もう、青竜さん圧勝!
クールで素敵なの♪」


「それ、ぜってー妄想。
それとも、…フロイトだかユング謂うところの願望か?

何だよ、俺に言ってくれりゃ心行くまで触るぞ?」


「あんたってほんとに…」

「スケベってか? 男がお堅い奴ばっかなら、人類はとっくに絶滅の危機迎えてるだろーがよ、へん!」


「…やめた。
口じゃあんたに
敵わないもんね」



この、口の減らない中原健次と、ちょっと思考回路が謎めいた大橋由紀恵、それに私、島崎愛の三名は『オカルト研究会』なるものを立ち上げていた。



「要は動かぬ証拠ってやつですぅ。 百聞は一見にしかずともいう位ですから」


「ええ〜? 証拠って言われても……」


「やっぱ、捜査の基本は現場検証だろが。
また、その寝坊の虎に会えるかも知れねーぞ?」


「…健次もたまにはマトモな事いうのね。
あ、でも千年振りの寝坊らしいわよ?」



「千載一遇…。
愛さん、それって、…もしや運命の出逢いでは?」


「すっごい嫌…。
…相手によりけりね」


「とにかく行こうぜ。
愛、場所教えろ」





そんな訳で、白虎と遭遇した川沿いの土手に向かうことにした。







「えーっとねぇ、確かここの向こう側でお昼寝を…」

『んごお〜…、Zzz…』


「してんじゃん!!!」




くしくも、三人の声がみごとにハモっていた。






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