フォーリンラブ 1
雨に濡れたあなたの指先
雨に混じるあなたの匂い
雨に紛れたあなたの声
そのすべてが特別で
そのすべてが愛しくて
私の心を離さない
【 はじまりの雨 】
「雨……降ってきたぁ。」
どんよりした灰色の空を見上げ、綾瀬 蘭は呟いた。
4月だというのに肌寒くて、なんとなく不安になるような嫌な天気。
ため息をついていると、隣にいた親友の南優子が覗きこんだ。
「蘭ってほんと雨嫌いだね。」
「だって良いことなぃじゃん。濡れるし寒いし傘邪魔だし。」
「彼氏ができたら変わるかもね。」
優子が笑う。
それを見ながら蘭は首を傾げた。
「なんで?」
「だぁって、雨に濡れた男ってなんかセクシーだし、雨に濡れた自分ってなんか可愛いし。」
なにそれ……
「しかも相合い傘なら自然と密着だし、お泊まりもしやすぃし……」
「はぃはぃ。も〜いぃよ〜。」
優子の声を遮り、蘭は再び空を見る。
その横顔に顔を寄せ、優子が囁いた。
「蘭もいい加減彼氏つくりなよ。紹介するよ?」
「いらなぃもん。」
紹介は好きじゃない。
恋ってもっと運命的なものでしょ?
雨に混じるあなたの匂い
雨に紛れたあなたの声
そのすべてが特別で
そのすべてが愛しくて
私の心を離さない
【 はじまりの雨 】
「雨……降ってきたぁ。」
どんよりした灰色の空を見上げ、綾瀬 蘭は呟いた。
4月だというのに肌寒くて、なんとなく不安になるような嫌な天気。
ため息をついていると、隣にいた親友の南優子が覗きこんだ。
「蘭ってほんと雨嫌いだね。」
「だって良いことなぃじゃん。濡れるし寒いし傘邪魔だし。」
「彼氏ができたら変わるかもね。」
優子が笑う。
それを見ながら蘭は首を傾げた。
「なんで?」
「だぁって、雨に濡れた男ってなんかセクシーだし、雨に濡れた自分ってなんか可愛いし。」
なにそれ……
「しかも相合い傘なら自然と密着だし、お泊まりもしやすぃし……」
「はぃはぃ。も〜いぃよ〜。」
優子の声を遮り、蘭は再び空を見る。
その横顔に顔を寄せ、優子が囁いた。
「蘭もいい加減彼氏つくりなよ。紹介するよ?」
「いらなぃもん。」
紹介は好きじゃない。
恋ってもっと運命的なものでしょ?
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