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フォーリンラブ 1

[328]  るぅ  2007-02-13投稿
雨に濡れたあなたの指先


雨に混じるあなたの匂い


雨に紛れたあなたの声



そのすべてが特別で


そのすべてが愛しくて


私の心を離さない



【 はじまりの雨 】




「雨……降ってきたぁ。」

どんよりした灰色の空を見上げ、綾瀬 蘭は呟いた。

4月だというのに肌寒くて、なんとなく不安になるような嫌な天気。

ため息をついていると、隣にいた親友の南優子が覗きこんだ。

「蘭ってほんと雨嫌いだね。」

「だって良いことなぃじゃん。濡れるし寒いし傘邪魔だし。」

「彼氏ができたら変わるかもね。」

優子が笑う。

それを見ながら蘭は首を傾げた。

「なんで?」

「だぁって、雨に濡れた男ってなんかセクシーだし、雨に濡れた自分ってなんか可愛いし。」

なにそれ……

「しかも相合い傘なら自然と密着だし、お泊まりもしやすぃし……」

「はぃはぃ。も〜いぃよ〜。」

優子の声を遮り、蘭は再び空を見る。

その横顔に顔を寄せ、優子が囁いた。

「蘭もいい加減彼氏つくりなよ。紹介するよ?」

「いらなぃもん。」

紹介は好きじゃない。
恋ってもっと運命的なものでしょ?

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