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ぱずる、、〔十五 ピース〕

[686]  ホッチ  2007-02-15投稿
『ノリユキ、、?』

家の中へはいると、古びた木の臭いが変に心地好く。
歩くたびにキシむ床も、いやにおかしかった、、。

「ここが君の家?」沈黙に耐えきれず、当たり前の質問をしてみた、、。 「いいぇ、、」 、、困惑しながらも、進むがまま付いていく。そのうち突き当たりの座敷へたどり着き、席をすすめられた。
私は言われもしないが正座にて腰を落ち着かせることにした、、。

お茶でよいかとの彼女の問いに、無言でうつ向く、、。
暫くすると目の前に梅コブ茶が良い匂いを漂わせ、和みの空間が部屋に広がるのがわかった、、。

机を挟み私の反対にいる彼女、、縁側から見える柿木を眺め、呟くように口を開き始めた。

「良い天気ね、、。」

私はコブ茶をススリながら、返事をする。

相変わらず外ばかり眺めている、まるで私には興味がない様子だ。
長居するのも申し訳なく思い、相談とは何なのか切り出してみた。

「私ね、、ずっとこの景色に憧れてたの。
太陽の眩しさ、鳥や草木の演奏。早く外に出たかった、、。」

意味がわからない、、。
返す言葉もなく彼女を見つめる。

「でも、願いは叶わなかった。
今はもう想像でしかこの景色をみれないし、高校生にもなれない、、まだ気付かない?ノリユキ、、。

これ私が創った世界よ。」

!! 彼女の言葉に驚き、もう一度辺りを見渡した!!

そこは薄暗い手術室だった、、。

彼女は幼く、私を見据えている、、。僕は大学生に戻っていた。

「私すごいでしょ?なんでも出来るし、なんにでもなれるのよ、、。

ほれっ!こんなかんじや、ワシのこと覚えとるか?」

最近頭の中で囁いていたおじさんの声だ、、。
恐怖と困惑で、頭が真っ白になる。

「な、なんで、、。なんで僕達を呼んだの、、?、、それに君は誰!?」
「私は ヒトミ、、。死人、、。別に貴方じゃなくても、誰でもよかった、、ただ私は友達が欲しかっただけ。それだけのこと。」

その言葉を聴き、私の意識は薄れていった、、。

「あぁ〜あ、、壊れちゃった、、」

病院に微かな笑い声がコダマした、、。


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