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LAST SUMMER#12

[412]  SETTARMEN  2007-02-15投稿
3月13日 紅白戦
【2回表】

ブウォン!!

タクが素振りをするとベンチまでその音が聞こえる。

二、三度物凄い音でスイングをしたタクは右打席に入った。

4番対エース。藤城中では最もみものだろう…

『プレイ!』
今井先生が声をかけた。

天堂寺がゆっくり振りかぶり、投げた!

カキーン!!!!

タクの捉らえた打球はレフトフェンスにライナーで直撃した!!だが…

『ファール!』

スピンがかかり過ぎた打球は、わずかに左に切れたのだった。

驚いた表情を見せたショウは、その後ニヤッと笑った。

それを見たタクもまた笑った…

二球目

天堂寺が選択したのはフォークだった。

タクの振ったバットと、ショウが投げたボールの差は物凄く開いていた。

その差は天堂寺の投げるフォークボールというのがどれほど凄いかというのを物語っていた…

『バットとボール、すげぇ差あるぜぇ。』

ケイタが言った。

『タク!まず出ようぜ!』

アキが叫んだ。

俺も
『追い込まれてるぞ。くさいところはカットしろ〜!』

と叫んだ。

その後2つボールが続き、カウントは2-2の並行カウントとなった。

5球目。
タクはカーブを待っていた。
天堂寺、布川バッテリーもカーブ選択した。

カキーン!!!!

『いったぁ〜』
ケイタが叫ぶと

今度はライト三野の頭を超えて、打球はフェンス手前でワンバウドした。

ガシャ!
フェンスで打球の勢いが殺され、若干センターより転がった。

それを野原が拾い、セカンドの石橋に中継した。

タクは楽々二塁へ。

ツーベース!

タクは二塁上で小さくガッツポーズをした。

天堂寺は小さく溜息をついた。

ノーアウトランナー二塁。

続く5番は一年生スラッガー橘。右打ち。

天堂寺の真っ直ぐに慣れず、2球とも空振り。

あっという間に追い込まれた。

1球ボール球をはさみ、2-1からの4球目。

緩いカーブに橘のバットが泳いだ。

『ストライ〜ク!バッターアウト!』

今井先生が叫んだ。

1アウト2塁となって打席には不破が向かっていった。

今度はバッテリー同士の対戦となった。

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