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甘え、られもせず。

[396]  エミ  2007-02-19投稿
母は小柄だ。

母は小太りだ。

母は短気だ。

母は短足だ。

でも、毎日笑顔を絶やさない。
そんな母、ぼくは気に入っている。

度々叱られはしたが、いつものことだとなかば聞き流していた。

中学に上がると、反抗期なるものが沸き上がり。
よけいと言うことを聞かなくなった。

帰りも遅くなり、友達と遊んでる方が楽しかった。母は少し淋しそうだ。

11月 3日

いつもの様に遊びに行き、いつもの様に遅くなり、いつもの様に家へつき、いつもの母はいなくなっていた。

机に書き置きが一つ。

『お母さんが倒れた、お前は今。どんな気持だ。』

父の字で、この言葉と病院の場所が書いてあった。
泣いていたのか、所々字がニジんでいた。

何もできなく、ただその書き置きを読み返していた。
病院へ行くことが申し訳なく感じた。

行っても何が出来るのか、どんな言葉を伝えられるのか、後悔しても償えるのか。

紙を握り締め、いるわけもない神に祈った。
都合がいいと思われても構わない。
母が助かるのならなんでも捧げると、自分を殴った。

朝になっていた。

朝日は何も知らず昇り、スズメは何も知らず鳴いた。

電話が鳴り、父から言われた。

「人間は無力だ、、。」

それだけを僕に伝え、電話は切れる。

その場にしゃがみ、ひたすら哭いた。


母は小柄だった。

母は小太りだった。

母は短気だった。

母は短足だった。

ごめんなさい。ごめんなさい。

バカな僕だけど産んでくれてありがとうございます。

また僕を叱ってくれますか?


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