頭痛による悲劇 ─中─
意識が遠退いている俺は夢の中にいた。暗い暗い夢の世界。ただ、彼女のひよりだけがこの夢の世界にいた。
「ひ…より・・?」
ひよりは俺の声が聞こえないのか、その場にうずくまり頭を抱えていた。
「なぁ…ひより」
「うぅ…ヒック…晴樹‥やめてよぉ……どうしてこんなことっ…」
俺はひよりの言っていることがわからなかった。とりあえずひよりに近づき、身体を揺すってみる。
「ひより!!」
「やぁぁぁぁ!!!!!来ないでぇっ!!」
ひよりは俺を拒み、後ろへと下がってゆく。
「晴樹っ!!目を覚まして!!!あなたはっ、あなたはっ」
「ひより…?」
俺はひよりに触れるべく、近づいた。肩に触れようとしたとき、ひよりが呟いた。
「………れ…なっ」
「え?」
「触れるな触れるな触れるな触れるなっ!!!」
ひよりは俺を拒絶し、突き飛ばす。俺はその衝撃で後ろへ倒れる。
「お前…どうしたんだ?」
「あんたが…あんたがいるから……あたしはっ…あたしはっ…!!」
ひよりは怒りに満ちた瞳で俺を見据えるとこう言った。
「ジユウニクラシテイタセイカツハダメニナッタンダ。アンタナンテシネバイイノニ。アタシノジユウヲカエシテ」
間を開けずに言う。
「シネシネシネシネシネッ!!」
、
感想
感想はありません。