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頭痛による悲劇 ─中─

[641]  刹那(∵)ノ  2007-02-19投稿

意識が遠退いている俺は夢の中にいた。暗い暗い夢の世界。ただ、彼女のひよりだけがこの夢の世界にいた。


「ひ…より・・?」

ひよりは俺の声が聞こえないのか、その場にうずくまり頭を抱えていた。

「なぁ…ひより」

「うぅ…ヒック…晴樹‥やめてよぉ……どうしてこんなことっ…」

俺はひよりの言っていることがわからなかった。とりあえずひよりに近づき、身体を揺すってみる。

「ひより!!」

「やぁぁぁぁ!!!!!来ないでぇっ!!」

ひよりは俺を拒み、後ろへと下がってゆく。

「晴樹っ!!目を覚まして!!!あなたはっ、あなたはっ」

「ひより…?」

俺はひよりに触れるべく、近づいた。肩に触れようとしたとき、ひよりが呟いた。

「………れ…なっ」

「え?」

「触れるな触れるな触れるな触れるなっ!!!」

ひよりは俺を拒絶し、突き飛ばす。俺はその衝撃で後ろへ倒れる。

「お前…どうしたんだ?」

「あんたが…あんたがいるから……あたしはっ…あたしはっ…!!」

ひよりは怒りに満ちた瞳で俺を見据えるとこう言った。


「ジユウニクラシテイタセイカツハダメニナッタンダ。アンタナンテシネバイイノニ。アタシノジユウヲカエシテ」

間を開けずに言う。

「シネシネシネシネシネッ!!」




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