声の続き
俺の名前はノリ
いたって普通の高校生でした。
最初はいつだったかな。携帯買ってもらってすぐだから、高2の四月ぐらいだな。
普通の夜だった。嵐でもないし雷もなってなかった。深夜一時をまわった頃、俺は薄っぺらい着信音で目を覚ました。
いらいらしながらも「もしもし」とお決まりの間抜けな文句を唱えた。
しばらくしても返事がなかったので、少し強い声でもう一度言った。しかし答えはない。
「誰だよ、切るぞ」
「・・・・」やはり返事はないが、息遣いは聞こえる。その音を聞くと妙に嫌な予感がした。
気配がある。電話からというより、この部屋のどこかに、自分のすぐ横に。
大きな音が聞こえるとおもったが、それは自分の鼓動だった。持久走の後みたいだ。
「切るな、祟るぞ」低い女の声だった。いまいち迫力に欠けるセリフだが、雰囲気にけおされた俺は電話を握り締めた。
「どちら様ですか」
「マミだ」
「誰に番号聞きました?」「私は幽霊だ」質問無視かよと思ったが、恐いのでつっこめなかった。
「悪戯ならやめて下さい」言った途端、机の上のシャーペンがペン回しの要領でクルリと回った。見えない手があるみたいだった。
つづく
いたって普通の高校生でした。
最初はいつだったかな。携帯買ってもらってすぐだから、高2の四月ぐらいだな。
普通の夜だった。嵐でもないし雷もなってなかった。深夜一時をまわった頃、俺は薄っぺらい着信音で目を覚ました。
いらいらしながらも「もしもし」とお決まりの間抜けな文句を唱えた。
しばらくしても返事がなかったので、少し強い声でもう一度言った。しかし答えはない。
「誰だよ、切るぞ」
「・・・・」やはり返事はないが、息遣いは聞こえる。その音を聞くと妙に嫌な予感がした。
気配がある。電話からというより、この部屋のどこかに、自分のすぐ横に。
大きな音が聞こえるとおもったが、それは自分の鼓動だった。持久走の後みたいだ。
「切るな、祟るぞ」低い女の声だった。いまいち迫力に欠けるセリフだが、雰囲気にけおされた俺は電話を握り締めた。
「どちら様ですか」
「マミだ」
「誰に番号聞きました?」「私は幽霊だ」質問無視かよと思ったが、恐いのでつっこめなかった。
「悪戯ならやめて下さい」言った途端、机の上のシャーペンがペン回しの要領でクルリと回った。見えない手があるみたいだった。
つづく
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