毒舌君主
周りの人間をこれでもかって傷つけて
最終的には
何が残るんだろうな
―毒舌君主
古びたマンションの屋上に寝転ぶ一人の男。
ただいま午前4時。
男の生活はいつもここから始まる。
朝独特のひんやりした空気が男には、心地よかった。しかし、そこへ男の至福の一時を邪魔する輩が一人。「よう、昭久。こんな所で寝転んで朝日が登るのでも見ようってか?とんだロマンチストだよ、お前。」
黒ぶちの眼鏡を掛けて、背が高い青年が、地べたに寝転がる青年を見下ろして言う。
「…んだよ。修かよ。」
昭久と呼ばれた青年は嫌そうな顔をする。
「…何だよー。その嫌そうな顔は。まぁ、いいや。ほら、缶コーヒー買ってきてやったぞ。」
一応、昭久は礼を言い、受け取った。二人で無言で缶コーヒーを飲む。
ここまでは、まだよかった。しかし、今日は昭久の至福の一時を邪魔する輩がもう一人現れる事になるのだ。
昭久達がいる屋上に通じるドアがものすごい音をたてて開かれた。
二人は瞬時に音のたった方を振り返る。
そこには泣き腫らした目をした女の子が立っていた。女の子は一目散に金網のゲージに向かって走る。そしてその網をよじ登った。
二人とも女の子の一連の動作を唖然とした顔で見ていたが、修がハッと我に返り、慌てて止めようとした。「お嬢さん、何やってんの!はやまっちゃだめ!」
金網の上の女の子は泣きながら叫ぶ。
「もう、私はダメなの!彼に振られたらもう生きていけない!」
「そんな失恋の一つや二つ!人生長いんだから!」
と修。なぜか修まで今にも泣きだしそうだ。
二人が押し問答を繰り返しているのをただ眺めていた昭久だったが、一つため息をついてから口を開いた。「…あのさぁ」
二人が一斉に昭久の方を見る。
「死ぬのは個人の自由だけどここで死なれるのはすごく迷惑。後片付けする人も大変だと思うし。後、俺ここの住人だから自殺とかされると気分悪い」
((えぇぇーー!?))
昭久のビバ自己中☆発言に一同は固まった。
続く。
最終的には
何が残るんだろうな
―毒舌君主
古びたマンションの屋上に寝転ぶ一人の男。
ただいま午前4時。
男の生活はいつもここから始まる。
朝独特のひんやりした空気が男には、心地よかった。しかし、そこへ男の至福の一時を邪魔する輩が一人。「よう、昭久。こんな所で寝転んで朝日が登るのでも見ようってか?とんだロマンチストだよ、お前。」
黒ぶちの眼鏡を掛けて、背が高い青年が、地べたに寝転がる青年を見下ろして言う。
「…んだよ。修かよ。」
昭久と呼ばれた青年は嫌そうな顔をする。
「…何だよー。その嫌そうな顔は。まぁ、いいや。ほら、缶コーヒー買ってきてやったぞ。」
一応、昭久は礼を言い、受け取った。二人で無言で缶コーヒーを飲む。
ここまでは、まだよかった。しかし、今日は昭久の至福の一時を邪魔する輩がもう一人現れる事になるのだ。
昭久達がいる屋上に通じるドアがものすごい音をたてて開かれた。
二人は瞬時に音のたった方を振り返る。
そこには泣き腫らした目をした女の子が立っていた。女の子は一目散に金網のゲージに向かって走る。そしてその網をよじ登った。
二人とも女の子の一連の動作を唖然とした顔で見ていたが、修がハッと我に返り、慌てて止めようとした。「お嬢さん、何やってんの!はやまっちゃだめ!」
金網の上の女の子は泣きながら叫ぶ。
「もう、私はダメなの!彼に振られたらもう生きていけない!」
「そんな失恋の一つや二つ!人生長いんだから!」
と修。なぜか修まで今にも泣きだしそうだ。
二人が押し問答を繰り返しているのをただ眺めていた昭久だったが、一つため息をついてから口を開いた。「…あのさぁ」
二人が一斉に昭久の方を見る。
「死ぬのは個人の自由だけどここで死なれるのはすごく迷惑。後片付けする人も大変だと思うし。後、俺ここの住人だから自殺とかされると気分悪い」
((えぇぇーー!?))
昭久のビバ自己中☆発言に一同は固まった。
続く。
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