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フェニックス 20

[271]  導夢  2007-02-27投稿
「……。これは!」
サッと顔色が代わり、通行証をすぐにセティに返すと一歩後ろに下がり、両足をそろえビシッと敬礼をする。
「失礼しました!お通り下さい!」
「お、おい。一体どう…」
相棒の兵が思わず問い掛けるのを遮り
「いいから敬礼しろ!」
と、怒鳴る。
「わ、分かったよ」
相棒の迫力に押され、答えを得られぬまま敬礼をする。
二人の兵の目の前を、セティとゼノスは通り過ぎ門を通過して見えなくなったところで、「スレイプニルだよ」
と、通行証を確認した兵が相棒に答えた。
「スレイプニル?フォウオール帝国と停戦協定を結んでからの数年間、平和なもんだってのに。何でそんな物が」
「あぁ、全くだ。今も見た目は相変わらず平和な首都だが、一体中で何が起こっているんだ?」
二人は自然とオリュンポスの方を向いた。


ティノア神聖帝国は主神タグザを崇めるニヴル教を国教とし、首都平和都市オリュンポスにはその本部があり、国民のほとんどがニブル教を信仰している為、政治に関する発言力も強大だ。

「こっちよ。ゼノス」
キョロとキョロと辺りを見回していたゼノスにセティは声をかける。
「オリュンポスは初めてなの?」
「いや、初めてってわけじゃないが、来たのは随分久し振りだ」
「そう。でも、余り珍しそうにしてると、おのぼりさんだと思われるわよ」
そう言われ辺りを見ると、こっちを見てクスクスと笑っている人がいるのを見つける。
「田舎者で悪かったな」
ボソリと呟くが、やはりバツが悪いのか、先を行くセティを追いかけ、さっさとその場を後にする。
セティに追いつき
「これはどこに向かって歩いているんだ?」
「グリトニル宮殿よ」


首都の中央に位置するグリトニル宮殿は大国を主張するかのように巨大で、見る者を圧倒する造りをしている。そして、そこにはティノア神聖帝国の王タキトゥスがいる場所だ。

セティは城門の門番をしている兵士と話をしていた。
「………。それでは、少々お待ち下さい。すぐに城内の者を呼んで案内させますので」
「ええ。お願い」
セティと話をしていた兵士は走りながら城内へと消えて行った。
「ここまで長かったが、ようやく謎が解ける時がきたんだな」
「そうね」
それだけ言って、僅かに広角が上がったセティの口許が妙に印象に残った。

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