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殺し合いごっこ? 第17話

[1084]  龍角  2007-02-28投稿
「さて・・・これからどうする?」
勇と松坂は松坂の部屋でこれからどうするか話し合っていた。

「どうするって・・・逃げてみる?」
と松坂が言う。

「逃げるって一体何処に?それに8日以内に殺らないと死ぬんだぞ・・・」

「でも相手は・・・元は人間・・・」

「確かに・・・生きる為には殺さないと自分が死ぬ。だけど相手は元は人間・・・」

「こうなったら選択肢はこの二つしかないね。オニを殺して生き延びるか・・・それか自殺するか・・・」
勇は秋山から渡されたリボルバーを見た。この引き金を引けば楽になれる・・・そんな考えが浮かんだ。しかし同時に思い浮かんだのが死への恐怖。
『もうあんな思いはしたくない・・・でも・・・』

「松坂はどうしたい?」

「俺は・・・自殺を選ぶ・・・こんな世界に居たって何にも良い事なんか無い!!鬼神は?」

「俺は・・・俺は・・・死ぬ事が怖いんだ。あんな思いは二度とごめんだ・・・所で松坂は何で死んだんだ?こんな事聞くの悪いけど・・・」
勇はタブーに触れた。死因というタブーに。

「俺は・・・自殺した・・・」

「自殺!?おい・・・どうゆう事だよ・・・」

「生きてゆく希望を失ったんだ。最近良くニュースになってただろ?いわゆる[いじめ自殺]てものさ。」
「・・・」

勇は言葉が出なかった。だがそんな事はお構いなしに松坂は話を続ける。

「別に俺は何もやって無いのにハブかれていった。悪口、暴力、恐喝・・・もううんざりだったんだ・・・毎日が地獄だった・・・だから楽になれると思って自殺した。」

勇はもうどう言ったらいいか判らなかった。悪口、暴力、恐喝、全て自分がこれまで散々してきた事だ。そして目の前にはその様な事を散々やられてきて人生を目茶苦茶にされた挙句自殺して、死後も尚苦しみ続ける松坂がいる。
勇は自分が自分の首を絞めた事を実感した。今だから判るやられた側の苦痛を。そうオニに殴られていたあの痛みを。

『俺がした事は・・・オニと同じだ。』

いくら後悔しても何もならない。

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