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MURASAME

[665]  あいじ  2007-03-03投稿
七人ミサキ?
「この森は地元の人達から御霊の森って呼ばれていてね」
蔵王丸は天馬に資料の写真を渡した。天馬は写真に映った森に悪寒を覚えた。
「…ただの森に見えますケド…」
横から幸司がいった「実はここは界でね昔荒ぶる神々を祀っていたらしい」
界…人の世界と妖の世界を隔てる境界線である。
「最近、この御霊の森を潰して住宅街を作る動きがあった。妖庁は反対したらしいけど…結局地元の人達や管理者たちから調査が入った。そして…」
蔵王丸は言葉を切った。
「調査に入った人達のうち5人が行方不明になった。その中には妖庁から派遣されていた中村教授もいた…君達の仕事は行方不明者の行方を探すこと、そしてその原因を調べることこの2つだ。」
蔵王丸は幸司と天馬の顔を見やった。
二人は顔を見合わせ頷いた。
「わかりました。その仕事、俺達が受けます。」
「そうか、じゃあまずこの人物と行動を共にしてくれ」
蔵王丸は天馬に一枚の写真を渡した。そこには女の子が一人写っていた。
「この子は行方不明中村教授の娘さんでね、本人の希望で君達と一緒に行ってもらう。」
二人は頷き席を立ち勇み足で部屋を後にした。

御霊の森は都心からだいぶ離れた地方にあった。その地方は完全な田舎町というわけではなく、所々の自然は伐採され住宅地が広がっていた「やっと着いたか結構時間かかったな」電車から降りるなり幸司がいった。
「確か迎えが来てる筈だったな…」
天馬は駅内を見回した。しかし駅内に人影はなく何とはなく寂しかった。ふと駅階段をあがる気配に気が付いた。
「あんたが…中村教授の…?」
天馬は写真の人物と目の前の少女を見比べた。
「はい…わたしが中村由香利です」
つづく

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