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ナイト・オン・ドラグーン【78】話『序曲』

[356]  milk  2007-03-04投稿
美しいものを壊したくなるのは人の本能なのだろうか。

抑え切ることのない破壊衝動。

自分の中にいる冷酷かつ、残忍な獣がうごめく。

『ルル〜ララ〜♪』
と鼻歌混じりに口ずさむ。
そんな自分を抑えるものがただ一つあった。いや、自我を保つという言い方が正しいのだろう。

それは『曲』

彼はメロディーと言う。

森の中での鳥達によるせせらぎ。

燃え上がる業火の奏。

水流のしらべ。

大地の鼓動。

舞い上がり、吹き荒れる旋風。

それらは全て『彼』の曲になり、また新たなメロディーが生まれる。

心地よいメロディーを奏でることで自我を保っていられるのだ。

そう自分は戦士であり、作曲家。

大地の搭を守護する任に就く者。

『おや…?これはめずらしい、客人のようですね』
独り言のようにつぶやくと用紙に綴る手の動きを止めた。

『ふぅ…作詩中だというのに。とうとうここまで来てしまいましたか、反逆者アイン』

聞けばここ数日のうちに神水の搭に始まり、獄炎の搭までもが墜ちたのだと言う。
神水の守護者、狂戦士ギースと獄炎の守護者、炎帝スウェンが殺られたのには流石に驚いたが…
しかし、同じ守護者といえど、とくになんの感傷もなかった。
戦いに飢えていた彼等からは美しいメロディーは感じとれないのだ。

それに短期間で守護者を負かすアインという反逆者には興味がある。

自分の予想を上回る者だったならば、きっと今までにない極上のメロディーを感じとれるだろう。

そう考えると体が震えた。
『ここまで招待なさい。』
側近いた兵士に告げる。

『ハッ!ガイア様』


『ルル〜ララ〜ゾクゾクしますね』

大地の守護者、ガイアは来る時を待つ。





感想

  • 6448: 早く続きがみたいぞ [2011-01-16]

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