MURASAME
七人ミサキ?
幸司と天馬は由香利に連れられ古びた農家に案内された。埃臭い部屋の中心にその老人は座っていた「今回御霊の森の案内を務めてもらう松下さんです」
「どうも…松下秀明と申します」
由香利の紹介に松下はうやうやしく頭を下げた。
「考古学教授を務めております安藤天馬と荷物持ちの…」
「村雨幸司です」
妖庁の存在は極秘であるため彼らは嘘の身分を名乗った。
「すると、その荷物持ちさんが持ってる刀は…」
「お守りのようなモノです」
幸司が松下を制した「そうですか…学者にしては変わってますな」
松下が二人の顔を眺め呟いた。
「それで松下さん、御霊の森とはそもそもどのような所なんですか?」
「あの森は儂がガキの頃からあってな、何でも土地神さまを祀ってたとか…儂が生まれる前までは毎年7人の人柱を立てて納めたちゅう話だまぁ今はそんなことないがな」
天馬は何やら神妙な顔つきになった。
「では、早速御霊の森へ入りましょう」由香利が三人を促した。
森のなかは草が繁茂しており、歩く場所も無かった。しかし森全体から流れこむ奇異な気配が周りを包んでいた。
「どうした?幸司…」
見ると幸司が草むらのなかを覗き込んでいた。
「天馬…見ろよ…これ…」
幸司が手にしていたのは古びてはいたが石造りの仏像のようだった。
「これは…地蔵尊か?誰がこんな…」
地蔵尊は傷みほとんど破壊されていた。「これは多分ここの土地神を祀る為に造られたんだろう」
「ああ…前の調査で誰かが壊したんだろう」
「おーい何をしとるねお二人さん」
先に進んでいた松下と由香利の声が聞こえた。二人はとりあえず地蔵尊を立て直し、先に待つ二人のもとへ急いだ。
つづく
幸司と天馬は由香利に連れられ古びた農家に案内された。埃臭い部屋の中心にその老人は座っていた「今回御霊の森の案内を務めてもらう松下さんです」
「どうも…松下秀明と申します」
由香利の紹介に松下はうやうやしく頭を下げた。
「考古学教授を務めております安藤天馬と荷物持ちの…」
「村雨幸司です」
妖庁の存在は極秘であるため彼らは嘘の身分を名乗った。
「すると、その荷物持ちさんが持ってる刀は…」
「お守りのようなモノです」
幸司が松下を制した「そうですか…学者にしては変わってますな」
松下が二人の顔を眺め呟いた。
「それで松下さん、御霊の森とはそもそもどのような所なんですか?」
「あの森は儂がガキの頃からあってな、何でも土地神さまを祀ってたとか…儂が生まれる前までは毎年7人の人柱を立てて納めたちゅう話だまぁ今はそんなことないがな」
天馬は何やら神妙な顔つきになった。
「では、早速御霊の森へ入りましょう」由香利が三人を促した。
森のなかは草が繁茂しており、歩く場所も無かった。しかし森全体から流れこむ奇異な気配が周りを包んでいた。
「どうした?幸司…」
見ると幸司が草むらのなかを覗き込んでいた。
「天馬…見ろよ…これ…」
幸司が手にしていたのは古びてはいたが石造りの仏像のようだった。
「これは…地蔵尊か?誰がこんな…」
地蔵尊は傷みほとんど破壊されていた。「これは多分ここの土地神を祀る為に造られたんだろう」
「ああ…前の調査で誰かが壊したんだろう」
「おーい何をしとるねお二人さん」
先に進んでいた松下と由香利の声が聞こえた。二人はとりあえず地蔵尊を立て直し、先に待つ二人のもとへ急いだ。
つづく
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