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毒舌君主[九]

[308]  73  2007-03-06投稿
由香里は、金曜日、いつもの様に昭久の店に向かう。しかし、今日はいつもと違った。ドアにはCloseと書かれたボードがかけられていたのだ。それを見た由香里は、持っていた荷物をドサッと地面に落とし、「ショ…ショキング!あ、昭久さーん!」と意味も無く叫んでいた。

その頃昭久は……
高熱を出し、寝込んでいた。一人暮らしの昭久の部屋はシンとしていて、昭久の苦しそうな息づかいだけが聞こえてくる。
「…はぁ…風邪なんかひいた事なかったのに…無理しすぎたか…あぁー店、休んじまった…バカだ、俺。」昭久は、一人自己嫌悪に陥る。
しかしすぐさま日頃の疲れのせいもあってか眠気が押し寄せてくる。昭久はまどろみに身を任せる事にした。

―ピンポンピンポンピンポン
昭久が寝て、少したった時に昭久を訪ねてくる客があった。
「…うっせぇ、ブッ殺すぞ…こっちは頭痛ぇんだよ。…よし、無視だ、無視。」昭久は無視を決め込み、居留守を使う事にした。
しかし敵はなかなか手強い。これでもかっていうほどピンポンを押しまくる。
元来、気が長い方ではない昭久。最終的には、こういう結論にたどり着いた。
―殺す☆
「んな何回も押さなくてもわかるだろうが!ボケがぁ!!こっちは頭痛ぇんだよ!ゴホゴホ…」
玄関を開け放ち、客人に向かい、これでもかと暴言を吐く昭久。しかし、風邪をひいているので、最後の方は少し弱々しい。
玄関には由香里が立っていた。由香里は昭久の剣幕に少し、驚いていたが、すぐさま笑顔をつくり、言った。
「来ちゃった☆」

後に昭久は、語る。
「人にあれほどまで殺意を抱いたのは、初めてだった。」……と。

続く

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