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孤独な夜(第2話)

[224]  ライラ  2007-03-08投稿
俺の今の給料口は女。そう。言わゆる売春。俺みたいな人間には、こんな手段しかない。と言っても気に入らないわけじゃない。愛のない性交渉は、俺にとって罪の意識もなければ恥じらいもない。これを繰り返していくうちに、口座には1000万の金が貯まっていた。別に欲しいものなんてない。ただ、家賃と生活費さえ養えるならそれでいい。今日はなんとなく家にはいたくなかった。目的はないがとにかく外に出た。眩しい太陽のしたを歩く。近くに公園がある。とりあえず公園の中のベンチに座る。ポケットのタバコを取りだし年代物のジッポで着火した。目の前で子供達はサッカーをしている。俺はサッカーなんてしたことないし、ボールに触れたこともない。興味はないけど、子供たちが楽しそうに遊んでいることが羨ましかった。そんなこと思いながらタバコをふかしていたら、ふとブランコに座る女が目に入った。歳はだいたい20歳くらい。流行りの巻髪に露出の高めな格好。ずっと下を見ている。何故か俺もその女を見ていた。すると、女は顔を上げて空を見てから俺の視線に気付いたのか俺の方向をみた。目があった。俺は瞬時に目をそらし、女が視界の中にはいらない方向を見てタバコをふかした。しばらくしてチラッと女がいた場所を見た。でも、もういなかった。ちょっと安心して背も垂れに寄りかかり空を見ていた。夜とは違う綺麗な色。きっと今の俺はこの青い空ではなく、孤独な色をした夜なんだ。この空が愛しく思えた。俺はそろそろ帰ろうかと腰をあげようとした。すると、誰か女の声がした。
女:「あのーすいません。」
振り向くとそこにいたのはさっきの女。どこか行ったのかと思っていた。近くにいたようだ。
俺:「はい?」
女:「タバコもってます?」
俺:「あるけど。」
女:「一本ください」
以外と礼儀正しい女のこだった。俺:「別にいいけど。君ホームレスじゃないよね?」
女:「ははっ!違いますよ!」
俺:「だよね。はい。」
女:「あっ。ありがとう。」
俺:「火持ってる?」
女:「ないです。」
俺:「はい。落とさないでね。」
女:「ありがとう。」
そう言って彼女は俺の隣に座った。それがはじめて交した会話だった。

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