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バンドブーム〜2〜

[288]  こう  2007-03-10投稿
「・・・それにしても最近の曲、よくね〜よな」

暖かさの中に寒さが混じる風が吹いた。

「あ?急にどした?」

大桑は下唇を尖らしている。

「だって今昼の放送でながれてる曲って今一番人気の曲だろ?」

「そーじゃない?確か2週連続一位の曲だよ。」

納得のいかない顔をする大桑。

「なぁ杉原。お前はこの曲いいとおもうの?」

「まぁ、今流行りだし、いいんじゃねーの?」

ため息が風に流された。

ガチャン。

屋上の扉が開いた。

「おう。おせーぞ海山!ちゃんと亮也のチョコチップメロンパン買い直してきたか?」

「ごめん。売り切れてた・・・」



(海山はこの曲好きなのか?いや、てかコイツ音楽聞くのか?)


「おい、どーするよ?チョコチップメロンパンなかったんだってよ。」

2週連続一位の歌が終わり、男性アイドルグループの曲に変わった。

「亮也?」

「ん?あぁ・・・じゃあ代わりに焼きそばパン買ってきてくれ。」

「はい。」

ミヤマは駆け足で扉へ向かう。

風が吹いた。

「・・・海山!・・・ お前さっき流れてた放送の曲好きか?」

大桑の突然の質問に二人は固まった。

「んだよ亮也。そんなにさっきの曲嫌いかよ。まぁ別にいいけど・・・」

「てかお前音楽聞くのか?」

杉原のツッコミを流す。



「うん。聞くけど、どうしたの?急に・・・」

「・・・いや、なんでもない。ほら、さっさと唐揚げパン買ってこい。」

「ご・・・ごめん。」


ミヤマは再び駆け出した。

そして扉の前で振り返った。


「最近の音楽業界は腐ってると思うよ。
それと唐揚げパンじゃなくて焼きそばパンだよね?」

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