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神様がくれたもの

[314]  綺榎  2007-03-10投稿
あの日私は【永遠の想い】と引き換えに【大切な人】を失った。

‐14年前‐

「綾榎。気がすすまなくても将来お前が困らない様にお父さんが選んだとこだ。お姉ちゃんもそこに行って行きたい学校に行けたんだ。」っと久々に顔を合わせた父親に言われた。
頭が良く父の意思に従う姉と自由奔放で成績は下から探した方が早い私。
世間体を気にする父は私の話しなど聞く耳を持たない。
「綾榎!聞いているのか!?お前の心配をしているんだぞ?!」

「…私の心配?」
はぁ?笑わせる!世間体が気になって回りに合わせた様としてるくせに!【私】の為って何?

「ともかく明日からだ!わかったな!部屋に戻って勉強しろ!…まったく姉妹でこうも違うとはな!」私が父の部屋の扉を閉める直前にわざと聞こえる様に言う。

顔合わせて言う事はこれだけ。そして我が家では父の言う事は絶対。
「…私って何?」答えのない疑問。この家で私の居場所はない。

「綾ちゃん?」ふと呼ばれて振り返ると姉が立っていた。

「…何?」妹の私から見ても姉は【理想の姉】優しく頭がいい。同じ姉妹でこうも違うなんて…。
直視出来ず顔をそらすと

「綾ちゃん。大丈夫?」心配して頭に手を伸ばす。姉の手をにパンっと振?り払う音が響き渡る
「触らないで!」
目を丸くして驚く姉。

「あ…ごめんね?つい昔のくせで」傷付いた顔して謝る姉。

「…何か用?」

「え?…ええ。お菓子作ったから。よかったら食べて?」取り繕うように笑いかけ

「…いらない。」姉が悪いわけじゃない。わかっているのに姉を前にするとイライラする。以前はこんな事なかった。姉といつも一緒だったのに…

「そっか…下でみんなで食べようかと思ったんだけど」

「部屋にいるから」そう言って足早にその場から立ち去り自室に入る。
「もっと自由に生きたい。誰かに必要とされたい。【私】を見て。」

次の日父の塾の扉の前で立っていた私に

「見学の方ですか?」低く大人の男の人声。
ふいにかけられた言葉にびっくりして鞄を落とした。
「ああ。驚かせてごめんね。…はい」っと言って鞄を拾いあげて手渡して幼さが残る笑顔が私にむけられた。
これが【彼】との最初の出会いだった。

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