毒舌君主[十]
由香里は、部屋にいれまいと拒む昭久を笑顔でかわし、無理矢理部屋に侵入する事に成功した。
「修さんに聞いて、風邪だっていうから、差し入れ買ってきたんです。」
「差し入れは、いいから消えてくれ。」
「まぁ、そんな事言わずに☆ポカリとポカリとあと…ポカリ買ってきました!」「…ポカリばっかりじゃねぇか…ゴホゴホ」
昭久のツッコミは風邪のためあまりキレがよくない。「ポカリなめちゃダメですよ。ポカリは飲む点滴と言われてまして……って昭久さん!?聞いてますか!?」
昭久は、由香里を無視して、寝床に向かっていた。
「あぁん?俺はだりぃんだよ!もう寝る。これ以上話しかけたら殺すから。」
そう言って、昭久は布団の中で目を閉じる。
数分後、昭久の規則正しい寝息が聞こえてきた。
『寝るの早!』由香里は黙っておくように言われたので心の中でツッコミを入れながら、稀にみるチャンスだと思い、昭久の寝顔を観察した。
『ウワッ!睫毛長い!うらやましい〜。』色素の少し薄い柔らかそうな髪に、端正な顔立ち。この青年からあの性格は、誰も想像できない事だろう。
由香里は、ものすごく昭久の寝顔を写真に収めたくなった。(変態☆)
音をたてないように携帯を取り出し、そのカメラを昭久に向ける。
撮った写真は待受にするつもりだ。(ド変態☆)
シャッターを押そうとした時だった。
昭久が苦しそうに寝返りをうつ。額には汗をかき、何やらとても苦しそうだ。
由香里は、『こんな事している暇はない。』と携帯を慌てて鞄にもどした。
氷枕を取りに行こうと立ち上がろうとした由香里の手を昭久の手がつかんだ。
「行くな…行かないでくれ。」
うわごとの様に昭久は呟く。どうやら、嫌な夢でも見ているようだ。
「…昭久さん?大丈夫ですか?」
由香里は、心配そうに昭久の手をギュッと握り返す。「…行かないで…志保。」昭久の顔に涙が伝う。
由香里はただ呆然と愛しい人の綺麗な涙を見つめていた。
続く
「修さんに聞いて、風邪だっていうから、差し入れ買ってきたんです。」
「差し入れは、いいから消えてくれ。」
「まぁ、そんな事言わずに☆ポカリとポカリとあと…ポカリ買ってきました!」「…ポカリばっかりじゃねぇか…ゴホゴホ」
昭久のツッコミは風邪のためあまりキレがよくない。「ポカリなめちゃダメですよ。ポカリは飲む点滴と言われてまして……って昭久さん!?聞いてますか!?」
昭久は、由香里を無視して、寝床に向かっていた。
「あぁん?俺はだりぃんだよ!もう寝る。これ以上話しかけたら殺すから。」
そう言って、昭久は布団の中で目を閉じる。
数分後、昭久の規則正しい寝息が聞こえてきた。
『寝るの早!』由香里は黙っておくように言われたので心の中でツッコミを入れながら、稀にみるチャンスだと思い、昭久の寝顔を観察した。
『ウワッ!睫毛長い!うらやましい〜。』色素の少し薄い柔らかそうな髪に、端正な顔立ち。この青年からあの性格は、誰も想像できない事だろう。
由香里は、ものすごく昭久の寝顔を写真に収めたくなった。(変態☆)
音をたてないように携帯を取り出し、そのカメラを昭久に向ける。
撮った写真は待受にするつもりだ。(ド変態☆)
シャッターを押そうとした時だった。
昭久が苦しそうに寝返りをうつ。額には汗をかき、何やらとても苦しそうだ。
由香里は、『こんな事している暇はない。』と携帯を慌てて鞄にもどした。
氷枕を取りに行こうと立ち上がろうとした由香里の手を昭久の手がつかんだ。
「行くな…行かないでくれ。」
うわごとの様に昭久は呟く。どうやら、嫌な夢でも見ているようだ。
「…昭久さん?大丈夫ですか?」
由香里は、心配そうに昭久の手をギュッと握り返す。「…行かないで…志保。」昭久の顔に涙が伝う。
由香里はただ呆然と愛しい人の綺麗な涙を見つめていた。
続く
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