君に捧ぐ 〜10〜
僕はまず、子猫の寝場所作りに取りかかった。段ボールに僕のパーカーを敷いただけの簡単なやつだったが、どうやら気に入ってくれたみたいだ。
それから、ツナ缶詰を皿にあけ、段ボールの中をに置いた。最初は警戒していた子猫も、しばらくしたらきれいに食べてくれた。
子猫は寒そうにしていた。なのでパーカーに寝そべっている上にタオルを掛けてやった。
子猫は時折鼻水を詰まらせたような、苦しそうなうめき声を出した。
抱き上げる。そのときあることに気付いた。腹が中年オヤジのビールっ腹のようにぷっくりとふくれていたのだ。
「なぁ、お前どうしちまったんだよ」
子猫は目もほとんど開けていない状態だった。僕は専門家でもなかったけど、子猫が危ない状態だということはすぐにわかった。
次の日になると、僕は近所にできたばかりのペットショップの中にある動物病院に行った。因みにあの3匹を拾ったときは全く思い浮かばなかった場所だ。
受付の時に子猫の名前を聞かれ困ってしまった。受付のお姉さんに拾ったことを告げると、後でまた変わってもいいから、今考えてほしいと言われた。登録にどうしてもペットの名前が必要のようだ。
悩んだ末に、僕の好きなグループの曲に出てくる猫の名前の一部を取って“ナイト”と名付けた。
ナイトは、弱っているのに診察のときにとても暴れた。熱を計るのに肛門に体温計を入れるときや、目薬を注すときなど、先生や助手の人の腕などを引っ掻きまくってどうにか逃れようとしていた。
「猫の伝染病にかかったようです。顔の爛れや腹の出っ張りもその特徴です」
診察を終えた先生はそう言った。
「重い病気なんですか…?」
「目薬と飲み薬を出しとくから、1日2回あげて下さい。それから、とにかく暖かくしてあげて下さい。体温が普通の猫の平熱より下がっています。あとはこの猫の頑張りですね」
「もしダメだった場合どれくらいで…?」
「1週間もつかどうか…」
「……そうですか。わかりました…」
僕はナイトを抱いて病院を後にした。
帰りながら不覚にも涙が出た。ナイトを強く抱き締める。子猫はとても暖かかった。
僕には理解できなかった。なぜこいつが死ななければならないのか? 生まれて間もなく捨てられ、伝染病にかかってしまった。
こいつが何をしたっていうんだ? 絶対にこいつを死なせない。そう決心した。
それから、ツナ缶詰を皿にあけ、段ボールの中をに置いた。最初は警戒していた子猫も、しばらくしたらきれいに食べてくれた。
子猫は寒そうにしていた。なのでパーカーに寝そべっている上にタオルを掛けてやった。
子猫は時折鼻水を詰まらせたような、苦しそうなうめき声を出した。
抱き上げる。そのときあることに気付いた。腹が中年オヤジのビールっ腹のようにぷっくりとふくれていたのだ。
「なぁ、お前どうしちまったんだよ」
子猫は目もほとんど開けていない状態だった。僕は専門家でもなかったけど、子猫が危ない状態だということはすぐにわかった。
次の日になると、僕は近所にできたばかりのペットショップの中にある動物病院に行った。因みにあの3匹を拾ったときは全く思い浮かばなかった場所だ。
受付の時に子猫の名前を聞かれ困ってしまった。受付のお姉さんに拾ったことを告げると、後でまた変わってもいいから、今考えてほしいと言われた。登録にどうしてもペットの名前が必要のようだ。
悩んだ末に、僕の好きなグループの曲に出てくる猫の名前の一部を取って“ナイト”と名付けた。
ナイトは、弱っているのに診察のときにとても暴れた。熱を計るのに肛門に体温計を入れるときや、目薬を注すときなど、先生や助手の人の腕などを引っ掻きまくってどうにか逃れようとしていた。
「猫の伝染病にかかったようです。顔の爛れや腹の出っ張りもその特徴です」
診察を終えた先生はそう言った。
「重い病気なんですか…?」
「目薬と飲み薬を出しとくから、1日2回あげて下さい。それから、とにかく暖かくしてあげて下さい。体温が普通の猫の平熱より下がっています。あとはこの猫の頑張りですね」
「もしダメだった場合どれくらいで…?」
「1週間もつかどうか…」
「……そうですか。わかりました…」
僕はナイトを抱いて病院を後にした。
帰りながら不覚にも涙が出た。ナイトを強く抱き締める。子猫はとても暖かかった。
僕には理解できなかった。なぜこいつが死ななければならないのか? 生まれて間もなく捨てられ、伝染病にかかってしまった。
こいつが何をしたっていうんだ? 絶対にこいつを死なせない。そう決心した。
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