ヤス#11
ヤス#11
「おい!子ども!」
「ひっ!」
ヤスは肝が縮む思いだった。恐る恐る振り向いた。だが、誰も居ない。
(気のせいかな…気味悪いな)
ヤスは再び糸を垂れた。
「おい!そこの子ども」「ぎゃ!」
振り向いた時、尻餅をついた。しかも藤壺の上に…。
「ぎゃああ!」
「ふおっ、ふおっ。やい!ハナタレ!驚いたか」
ヤスはハナタレと言われて、その声のする方をキッと見据えた。そして、ギョッとした。声が出ない。背筋が凍りつき、膝が震えているのが自分でも分かる。悲鳴を上げそうになった。ヤスの目線の先には、奇怪な生き物がいたのである。大きな岩の上。木の根っこのような杖を持った、小さな生き物が立っていた。ヤスより小さい。ボロ布を纏い、腰に古縄を巻いている。目は見開き、口が耳まで裂けていた。耳は大きく、そして尖っている。鼻が異様に曲がり、異様な様な面持ちだ。白髪が背中まで伸びていた。老人のようだ。
ヤスはハナタレと呼ばれた事に腹を立てている。怖さもあるが、ハナタレと呼ばれ、怒りを勇気に変えて、腹の底からようやく言葉を吐いた。
「貴様は何者だ!バケモノか!」
「失敬な。小僧は口の聞き方すら知らないようだな。ふおっ、ふおっ」
「おい!子ども!」
「ひっ!」
ヤスは肝が縮む思いだった。恐る恐る振り向いた。だが、誰も居ない。
(気のせいかな…気味悪いな)
ヤスは再び糸を垂れた。
「おい!そこの子ども」「ぎゃ!」
振り向いた時、尻餅をついた。しかも藤壺の上に…。
「ぎゃああ!」
「ふおっ、ふおっ。やい!ハナタレ!驚いたか」
ヤスはハナタレと言われて、その声のする方をキッと見据えた。そして、ギョッとした。声が出ない。背筋が凍りつき、膝が震えているのが自分でも分かる。悲鳴を上げそうになった。ヤスの目線の先には、奇怪な生き物がいたのである。大きな岩の上。木の根っこのような杖を持った、小さな生き物が立っていた。ヤスより小さい。ボロ布を纏い、腰に古縄を巻いている。目は見開き、口が耳まで裂けていた。耳は大きく、そして尖っている。鼻が異様に曲がり、異様な様な面持ちだ。白髪が背中まで伸びていた。老人のようだ。
ヤスはハナタレと呼ばれた事に腹を立てている。怖さもあるが、ハナタレと呼ばれ、怒りを勇気に変えて、腹の底からようやく言葉を吐いた。
「貴様は何者だ!バケモノか!」
「失敬な。小僧は口の聞き方すら知らないようだな。ふおっ、ふおっ」
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