2日目
10：20
殺した鬼の数：2


勇は目を覚ました。そしていつの間にか周りの景色がオニと闘った部屋に戻っている。ただ松坂とオニの亡骸が無くなっていてそこには血の跡だけが生々しく残っていた。そしてオニ化した左腕を見てオニとの契約が夢ではなかった事を改めて確信した。

『松坂・・・』

勇の心の中には自分だけが生き残ってしまったという罪悪感と助ける事が出来なかった後悔、そしてオニへの復讐心が渦巻いていた。

プルル・・・・

その時、勇の携帯が鳴った。勇はこの時初めてこの携帯に通話機能があると知った。電話番号は244と表示されてある。

「もしもし・・・」

「松坂！？そっちは大丈夫？」

声の主は秋山だった。

「なんとか大丈夫です・・・てかこの携帯、電話出来たんですか？」

「そりゃ出来るわよ。あと番号は部屋の番号だから。そんな事よりやばいのよ！！」

「どうしたんですか？そんなにあわてて？」

「どうやらこれから鬼人達が人間狩りを始めるらしいのよ…」

鬼人、人間狩り。勇は突然言われた言葉を理解する事が出来なかった。
「…だから早く避難しなさい！！一刻も早く！！」

「ちょっと待って下さいよ！！鬼人って一体？それに逃げるって言われても一体ど・・・」

最後まで話終らない内に突然電話が切れた。


『一体何が起ころうとしているんだ！？』




敬は背後からのオニの攻撃を音で感知して左足を軸にした左回りの体裁きでかわした後、そのまま勢いを利用して鬼人の能力で刃渡り約１メートルの刀へと変化させた左腕でオニの首を切り裂く。
『75匹目。』

さらに倒したオニの後ろにいたオニを自由になっている左腕同様刀と化した右腕で神速の如き突きを繰り出す。

『76匹目。』

そして最後に左後ろにいるオニを一匹目と同様に左回りの体裁きの勢いでオニの胴体を真っ二つに切断した。さすがのオニでも胴体を真っ二つに切断されては生きられまい。

『77匹目。』

約5秒で敬の周りの生物と思われるものは全てただの肉片と紅い水溜りと化した。

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