あの日
あの日、私は病院にいた。
救急車のけたたましい音がやみ待合室の扉が開いた。
そこにいたのは兄と母だった。
「おとんがイビキかいて倒れた。今からCTとるから。」
兄はまるでテレビドラマのワンシーンのようにそういってのけた。
平成13年2月2日
その日は脳裏に焼き付いて離れなくなった。
病名は『クモ膜下出血』
出血量が多かったため管に埋もれた父が手術室からでてきたのは明け方だった。
三日前に引越しの手伝いをしてもらったこと…。
昨日、電話で話したことが頭の中を駆け巡った。
折しも父が溺愛する末弟は修学旅行にいっていた。
「連絡せんの?」と聞く私に、
「死んでないのに連絡してどうするん?」っと言いのけた母に驚いた。
死なない保証はなかった。だけど母は死なないと信じてた
あれから六年。まだ父は生きている。
病院のベットの上。
あの日から二ヶ月後に産まれた初孫に触れることなく。
救急車のけたたましい音がやみ待合室の扉が開いた。
そこにいたのは兄と母だった。
「おとんがイビキかいて倒れた。今からCTとるから。」
兄はまるでテレビドラマのワンシーンのようにそういってのけた。
平成13年2月2日
その日は脳裏に焼き付いて離れなくなった。
病名は『クモ膜下出血』
出血量が多かったため管に埋もれた父が手術室からでてきたのは明け方だった。
三日前に引越しの手伝いをしてもらったこと…。
昨日、電話で話したことが頭の中を駆け巡った。
折しも父が溺愛する末弟は修学旅行にいっていた。
「連絡せんの?」と聞く私に、
「死んでないのに連絡してどうするん?」っと言いのけた母に驚いた。
死なない保証はなかった。だけど母は死なないと信じてた
あれから六年。まだ父は生きている。
病院のベットの上。
あの日から二ヶ月後に産まれた初孫に触れることなく。
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