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君に送る言葉?

[183]  深山暁  2007-03-15投稿
「私も…ずっと…好きでした。」
そう言った浅岡は、泣いていた。



…同じだった?

苦しい思いを抱えていたのも。

どうしようもない思いを持て余していたのも。

浅岡も僕と同じだった?

もう一度、浅岡にゆっくりと手を伸ばす。
白い頬を伝う涙を拭う指が震える。
伝わってしまっているだろうか…。
今までに無いくらい緊張している事が。


浅岡が顔を上げた。
目が合う。

…そんな目をするなよ。

我慢が出来なくなりそうだから。

「…先生。」

そんな声で呼ぶな。
引き返せなくなる。


…もう、引き返せない所まで来ているのかもしれないけど…。



「…何か言ってください…先生。」


ああ。
もう駄目だ。


何かが、切れる音を…聞いた気がした。


「浅岡。」

声をかけて、浅岡の頬に添えていた手で彼女の後頭部を掴む。
「…せっ」
何かを言いかけた唇を塞ぐ。
さっきのように触れるだけのキスではなく、抑えられない衝動を、唇で、舌で、押しつけるような深いキス。

止められない。

息をするのももどかしく、唇を重ね合わせる。

何度も何度も。
舌を絡めて。
口角を変えて。

「ふっ。」

息継ぎの時に漏れる声さえ、もったいなくて。
またすぐに唇を塞ぐ。


ようやく身体の奥から沸き上がる熱が落ち着いて、
ゆっくり唇を放した。
長いキスで不足した酸素を取り込もうと深呼吸をする。
ふと目線を下に落とすと、同じように荒い息をしている浅岡がいた。

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