携帯小説!(PC版)

トップページ >> ミステリ >> 『暗闇の中に』〜序〜

『暗闇の中に』〜序〜

[468]  ハラッパ  2007-03-20投稿
そこはとても暗かった。
深い深い闇の中だった。

一瞬、自分に意識は有るのかとさえ錯覚してしまう。
何が起きているのか、何をしているのか、一切分からなかった。


ふと、声を発したくなった。
自分を確認するために…とでも言えば良いのだろうか。
とにかく、ここにある自分という存在を確認したかった。

「       」
「           」


言葉は生まれなかった。
思っているはずの言葉をメロディに載せて発したはずだった。

しかし、生まれなかった。
自分を確認出来なかったのだ。










毎晩同じ夢を見る。
昨日もその前の日も同じだった。
よくもまぁ飽きずに、と最近は自分を尊敬しているほどだ。
朝独特の寒さに包まれながら、俺はそのことを感じていた。

「さて…と。まずは顔を洗わなきゃな。」

敢えて声を出すことで、俺は俺を確認した。
「よし、生きてる。あれは夢だ。」

冷たい水に顔を曝し、身を引き締める。

布で顔を拭き、身支度を始める。
深緑のパーカーに黒のジーパン。
着れれば何でも良いという格好だ。



不意に何かを忘れてる気がした。

何を忘れたのだろう。

顔は洗った、服はもちろん着ている。他に何が足りないのか。



何かが足りない。

感想

感想はありません。

「 ハラッパ 」の携帯小説

ミステリの新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス