携帯小説!(PC版)

姿

[427]  香奈斗  2007-03-20投稿
私からアナタが消えていく
一秒たりとも忘れたくないのに
どんどんアナタは薄れていく
私はどうすることもできない
ビリビリに破けた紙を修復するようにアナタを辿っていくがどうしても元に戻せない
私があんな我が儘を言わなければあんなことにはならなかったはずだ
自責の念に問われるがアナタはもう戻ってこない
私もいっそ死のうとリストカットをして手首はあざだらけだ
でもいつもアナタに止められる気がして一命を取り留めるのだった
しかし体はやせ細っていった
アナタとつきあっていた頃とは20キロも痩せてしまった
でも今日でアナタの一回忌
私もアナタの元に向かいます
高層ビルの20階の屋上から私は飛び降りた
落下まで走馬燈のようにアナタが甦る
「俺の分まで生きろ」
そんな声がしたような気がした
突然突風が吹いた
私もその風に流されてしまった


目が覚めると親が泣いていた
話を聞くと一年間眠っていたらしい
旨く風に流されて木の茂みに入ってクッション効果で一命は取り留めたらしい

でもあの声がなかったら私は死んでいただろう
ありがとうアナタ

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