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フェニックス 25

[285]  導夢  2007-03-20投稿
先に仕掛けたのはヴァロール。
ゼノスとの間合いを詰める。
その途中。
そこに置いていたかのように、何もない空間から剣を取り出し切り払う。
素手での攻撃を予測していたゼノスは虚を突かれ、反応が遅れる。
上体を反らしながら後ろに飛び退く。
傷は浅く、皮一枚切っただけ。
続く上段からの一撃は受け止める。
睨み合う二人。
口を開いたのはゼノス。
「前よりもやるようになったんじゃないか?」
「当たり前だ」
ゼノスを押し飛ばし、前蹴りを放つ。飛ばされた勢いを利用して、さらに後ろに飛び蹴りをかわす。
「ヴァンパイアが何と呼ばれているか知っているか?」
構えを解き、だらんと両腕を下げる。
「闇夜の魔人」
それだけ言って、舌打ちをする。
「正解だ。夜こそが我らの世界。そして、今宵は月も出ない新月の夜。漆黒の闇は、我らの力がもっとも強く具現化出来る時間」
ヴァロールは両腕を天に掲げ、悦に入っている。
「以前と同じだと思っているとその体、一瞬で切り刻まれることになる。覚悟しろ、人間」
今度は二人同時に駆け、再び剣を交差させる。
ゼノスは横に払ったヴァロールの剣をしゃがんでかわし、足を狙って切りつける。
小さくジャンプをして避けたヴァロールは勢いをつけ真上から叩きつけた。
横に転がった一瞬後、ゼノスのいた場所に剣が突き刺さるがすぐに引き抜かれ、切っ先を下に向けゼノスを追って何度も地面に突き刺さる。
ゼノスはゴロゴロと地面を転がりながら攻撃を避け続けた。
「まるで芋虫だな」
ヴァロールは小さく笑う。
何度か剣が皮膚を霞め、地面に赤い線を残す。
深めに突き刺さり次の行動に移るのが遅れた時を狙って、ゼノスは左腕一本の腕力のみで地面を押し宙を回転しながら体勢を立て直した。
ヴァロールが追撃をかけるが、ゼノスは剣を打ち下ろしはねのける。
そのまま一歩前に踏み出しながら下から切り上げた一撃は、ヴァロールの体を切りつけそこから血が吹き出す。
「ガハッ!!」
体がよろける。
ゼノスは頭部に回し蹴りを浴びせ、ヴァロールはかなりの勢いで民間に突っ込み、轟音をたてながらコンクリートの壁が崩れめり込む。
それを追ってゼノスも突っ込んだ。
ヴァロールの胸に吸い込まれた剣が赤く着色され背中から突き出る。カッと眼が見開かれたがそれも一瞬。
「甘いな」
口の端から血を滴らせ、笑みを浮かべた。

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