君に捧ぐ 〜12〜
「今ふわふわしてるの…来て?」
君から電話が来たのは僕が立ち去ってから少したってからだった。
僕らは地元の神社で喧嘩をした。僕はどうすればいいかわからず、しばらく近くをうろちょろしていた。
僕はなんのことかよくわからなかったけど、君と仲直りできるかもしれない。そんなことを考えながら神社に戻った。
君は社の階段に座っていた。僕は黙ったまま君のとなりに座った。
「……ふわふわしてる」
君は僕を見ずに呟いた。
「どうしたの……?」
そう言ったとき、僕と君の間に小さな箱があることに気付いた。箱の側には薬が入っていたはずの包みが全て開いていた。状況を飲み込むのに時間はかからなかった。
「おま…まさ……!」
もう言葉にならなかった。僕は君を抱きしめて泣いた。声を上げて泣いた。
「なん…で…なにやってんだよ…! なにやっ……」
バカ野郎! なにやってんだよ! 僕は怖かった。君がいなくなってしまう。君が壊れてしまう。 どうすれば……。
「落ち着いて。大丈夫だから、落ち着いて?」
君の声が聞こえた。そうだ。俺が落ち着かなきゃ。
「…病院……。病院にいかなきゃ……!」
僕は大丈夫だと言う君を無理やり自転車の後ろに乗せ病院に向かった。
必死に自転車をこいだ。急がなきゃ。じゃなきゃ君が壊れてしまう。急がなきゃ。
君の容態も気になったけど、僕は病院へ急いだ。
夜の遅い時間だった。病院は閉まっていた。なんでなんだよ! どうすれば……?
君を見た。君は神社にいたときよりも容態が悪くなっていた。
「気持ち悪い……」
病院の自転車置き場で吐いてしまった。
「もう少し…もう少し頑張って…? 今タクシー呼んでくるからな!? 頼むから頑張ってくれ……」
僕はタクシーを拾いに駅まで走った。
ごめんな…ごめんな…ごめんな…。
心の中で君に謝った。なんで君の辛さを解ってあげられなかった? どうして怒鳴った? お前は最低な奴だ。なにもできない自分が情けなかった。いや、なにもできないどころか君を傷つけてしまう…。僕は自分を殺してしまいたかった。
駅前でやっとタクシーを捕まえることができた。
タクシーに乗って君の元へ急ぐ。早く。早く! 急がなきゃ!
君は自転車の脇にうずくまってた。今にも壊れてしまいそうだった。
君から電話が来たのは僕が立ち去ってから少したってからだった。
僕らは地元の神社で喧嘩をした。僕はどうすればいいかわからず、しばらく近くをうろちょろしていた。
僕はなんのことかよくわからなかったけど、君と仲直りできるかもしれない。そんなことを考えながら神社に戻った。
君は社の階段に座っていた。僕は黙ったまま君のとなりに座った。
「……ふわふわしてる」
君は僕を見ずに呟いた。
「どうしたの……?」
そう言ったとき、僕と君の間に小さな箱があることに気付いた。箱の側には薬が入っていたはずの包みが全て開いていた。状況を飲み込むのに時間はかからなかった。
「おま…まさ……!」
もう言葉にならなかった。僕は君を抱きしめて泣いた。声を上げて泣いた。
「なん…で…なにやってんだよ…! なにやっ……」
バカ野郎! なにやってんだよ! 僕は怖かった。君がいなくなってしまう。君が壊れてしまう。 どうすれば……。
「落ち着いて。大丈夫だから、落ち着いて?」
君の声が聞こえた。そうだ。俺が落ち着かなきゃ。
「…病院……。病院にいかなきゃ……!」
僕は大丈夫だと言う君を無理やり自転車の後ろに乗せ病院に向かった。
必死に自転車をこいだ。急がなきゃ。じゃなきゃ君が壊れてしまう。急がなきゃ。
君の容態も気になったけど、僕は病院へ急いだ。
夜の遅い時間だった。病院は閉まっていた。なんでなんだよ! どうすれば……?
君を見た。君は神社にいたときよりも容態が悪くなっていた。
「気持ち悪い……」
病院の自転車置き場で吐いてしまった。
「もう少し…もう少し頑張って…? 今タクシー呼んでくるからな!? 頼むから頑張ってくれ……」
僕はタクシーを拾いに駅まで走った。
ごめんな…ごめんな…ごめんな…。
心の中で君に謝った。なんで君の辛さを解ってあげられなかった? どうして怒鳴った? お前は最低な奴だ。なにもできない自分が情けなかった。いや、なにもできないどころか君を傷つけてしまう…。僕は自分を殺してしまいたかった。
駅前でやっとタクシーを捕まえることができた。
タクシーに乗って君の元へ急ぐ。早く。早く! 急がなきゃ!
君は自転車の脇にうずくまってた。今にも壊れてしまいそうだった。
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