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CHERRY ?5

[283]  朝生 絆  2007-03-22投稿
「もう、いい加減にせぇや!」
そう叫んだのは団長だった。
あたしたちがいつもの様に
ふざけていたときのことだった。
静まり返る体育館。みんなキョトンとしていた。さらに団長は続けた。
「俺等3年は今年で最後なんや。
もぅ二度とこの3の3のみんなと体育会 やることないんや!
だから、勝ちたいんょ。最後の体育会
やからこそ勝ちたいんょ………!
それに、うちらは3組やろ?
最近はずっと3組が勝っとる。やから
俺の代でこの3の3の伝統絶つわけには いかん。俺は去年の団長と約束したんや 。絶対優勝してみせますってな。
やから、協力してくれ。
俺らに最後の体育会の‘優勝’を、
…頼むからとらせてくれよ…………」
普段はあれだけ強気な団長が見せた涙。
気づけば3年の先輩達は
みんな真っ直ぐ前を見ていて、
その姿は真剣そのものだった。
あたしたちは気づいた。
自分達のしてきたことの愚かさ。
どれだけの人に迷惑になることをしたか。団結することの素晴らしさ…………。
あたしたちは、変わった。
いや、先輩達が変えてくれた。
…教えてくれたんだ。
みんなでひとつのことをやり遂げる、
…喜びを…。

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