消えない過去27
店長に呼ばれて席に着いた男が、30分くらいすると客といっしょに外へ出て行くのだ。
最初は訳がわからずその様子をみていたが、一緒に来た友人と小声で話し確信した。
どうやらここはゲイバーらしい。
男が男を買う場所。いわゆる売りせんだ。
新宿二丁目。
上京したばかりの俺にはこの土地はどういう場所なのか知るはずもない。
二人でなんとしても逃げ出さなくては、と話し合った。
そんな時、店長からあそこの席から指名が入ったと言われたのだ。
見るとあきらかに俺のおやじより年のいった男、おじいさんに見える。
俺は断ったが、とりあえずお酒だけ作ってこいと言われ、渋々席についた。
水割りを作ると俺にも何か飲みなさいと上品に話しかけてきた。
そして隣へ座れと言い出した。
俺もこの場さえ乗り切れば、後一時間たらずで仕事も終わり給料を貰って帰れると思い、勇気をもって隣に座った。
ほんの数分だったのに俺には、1時間も2時間にも感じられた。
俺にいろんな質問をして、しばらくするとひざに手をのせてきた。
俺は悪寒が体に走り体が固まって、身動きできなかった。
必死に手を振りはだこうとしたが年寄りのくせに力が強い。
なんと俺の股間に触ろうとしてきたので思わず立ち上がってしまった。
店長が席に駆け寄ってきて、俺に話しかけてきたが俺はもう接客できないと懇願した。
店長は仕方なさそうに俺に、元の席に戻っていいと言った。
その後、別の男が席に着いた。
次々と従業員の男達が外に客と出て行き、男達が少なくなってきた。
このままだと又、席に着かされそうだ。
俺はいっしょにきた仲間とトイレに行くふりをして、強行に逃げ出すことにした。
日給どころじゃない。
そしてなんとか二人で店を出て必死で逃げた。
途中どうやって走ってきたのか全く覚えていないほどだった。
若きし頃の苦い経験だ。
やはり俺は女がいい。
続く
最初は訳がわからずその様子をみていたが、一緒に来た友人と小声で話し確信した。
どうやらここはゲイバーらしい。
男が男を買う場所。いわゆる売りせんだ。
新宿二丁目。
上京したばかりの俺にはこの土地はどういう場所なのか知るはずもない。
二人でなんとしても逃げ出さなくては、と話し合った。
そんな時、店長からあそこの席から指名が入ったと言われたのだ。
見るとあきらかに俺のおやじより年のいった男、おじいさんに見える。
俺は断ったが、とりあえずお酒だけ作ってこいと言われ、渋々席についた。
水割りを作ると俺にも何か飲みなさいと上品に話しかけてきた。
そして隣へ座れと言い出した。
俺もこの場さえ乗り切れば、後一時間たらずで仕事も終わり給料を貰って帰れると思い、勇気をもって隣に座った。
ほんの数分だったのに俺には、1時間も2時間にも感じられた。
俺にいろんな質問をして、しばらくするとひざに手をのせてきた。
俺は悪寒が体に走り体が固まって、身動きできなかった。
必死に手を振りはだこうとしたが年寄りのくせに力が強い。
なんと俺の股間に触ろうとしてきたので思わず立ち上がってしまった。
店長が席に駆け寄ってきて、俺に話しかけてきたが俺はもう接客できないと懇願した。
店長は仕方なさそうに俺に、元の席に戻っていいと言った。
その後、別の男が席に着いた。
次々と従業員の男達が外に客と出て行き、男達が少なくなってきた。
このままだと又、席に着かされそうだ。
俺はいっしょにきた仲間とトイレに行くふりをして、強行に逃げ出すことにした。
日給どころじゃない。
そしてなんとか二人で店を出て必死で逃げた。
途中どうやって走ってきたのか全く覚えていないほどだった。
若きし頃の苦い経験だ。
やはり俺は女がいい。
続く
感想
感想はありません。