バンドブーム〜13〜
「おう、アケミツ。屋上に行こうぜ。」
昼休みに大桑にギターを教えてもらうことが楽しみになっていた。
不思議だ。イジメでしか使われなかった屋上が今じゃ一番楽しめる場所になっているなんて・・・。
屋上
「昨日は“Gコード“が弾けるようになったよな。じゃああとの残りは・・・“Fコード“ど“Bコード“だな。」
「“セーハ“って言う6弦から1弦まで人差し指で押さえるやつだよね?」
大桑が感心そうに頷く。
「おぉ〜アケミツ。ちゃんと勉強してるじゃね〜か。」
「へへ、昨日本屋さんで調べたんだ。」
頭で理解することは簡単だがやってみるとこれがまた難しい。
「あぁ駄目だ。ちゃんと押さえなきゃ音が死ぬぞ。」
「わかってるよ。でもうまく押さえれないんだよ。」
ミヤマの指は既に皮が剥けボロボロだ。
「くっ・・・。」
ボロン・・・♪
「・・・まぁ初めからうまくいく奴なんていねーよ。まだ文化祭まで時間はたくさんあるさ。」
「間に合うかなぁ・・・そーいえば文化祭っていつだっけ?」
ミヤマたちのいる学校の文化祭はかなり遅い。
秋に行うのが定番だがなぜか冬休み前日に行われる。
「おかしいよな〜。冬に文化祭って。指がかじかんじゃってギターが弾きずらいっての。」
「でもバンドは体育館でやるんでしょ?あ、あと曲。僕たち曲はなにやるの?」
「そう!今日そのこと話そうと思ってたんだ。・・・あのな・・・。」
ケースからギターを取り出した。
「今から歌う曲、俺が作った曲なんだけど、聞いてくんねーかな?」
「え?オリジナルやるの?」
「それはお前が決めろ。
俺の歌が良い歌だと思ったら・・・文化祭でやろうぜ。」
「・・・わかった。」
ピックをボディに当ててカウントをとった。
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