MURASAME
吸血鬼無想?
本部に着くと、既に天馬や蔵王丸、咲子が座っていた。幸司は反対のソファーに目を移すと見知らぬ顔があった。
外国人の女性だった。年は幸司より三つ程上だろうか、整った美しい顔に、肩まで伸びた髪を後ろで無造作にまとめていた。何よりも幸司が驚いたのは彼女の後ろに置かれた棺桶だった。幸司は小声で天馬を小突いた。
「誰?」
「知らん」
天馬は首を横にふり押し黙った。
「全員揃ったね、まず紹介しよう。イギリスからやってきたヴァンパイアハンターのレイナ君だ」
蔵王丸が珍しく神妙な面持ちで紹介した。レイナと呼ばれた女性は表情を変えずに云った。
「レイナ・ベアトリーチェだ…」
「アレ、日本語?イギリスから来たんじゃ…」
幸司が思わず声をあげる。
「レイナ君のお父上は妖庁創設メンバーの一人、薬師院大光明(やくしいんだいこうみょう)様の知り合いでね。日本文化に明るかったそうだ。」
「おかげで日本語だけは喋れるわ」
レイナはぶっきらぼうに言い放った。
「話がそれた。今回仕事は彼女と共同でやってもらいたいんだ」
二人は顔を見合わせ悩んだが、やがて頷いた。
「俺達は別に構いません…それでどんな仕事で?」
蔵王丸が発言する前にレイナが口をひらいた。
「吸血鬼退治よ」
「吸血鬼って…日本じゃ吸血鬼は…」
「知ってるわ。日本ではあの化け物どもと共存してるってことぐらい…」
レイナがほくそ笑んだ。しかし、その目に宿った憎悪を二人は見逃さなかった
「安心なさい。私達が狩るのは、日本に逃げ込んだ海外の吸血鬼…特に問題はないわ」
「確かにな…むしろ不法入国で人襲ってんなら、条約違反だからな…」
天馬が冷静に語たった。蔵王丸がそれに続けた。
「海外の吸血鬼は親玉を倒せば、けりがつく…君達にはここに行ってもらいたい」
咲子が地図を広げた。
つづく
本部に着くと、既に天馬や蔵王丸、咲子が座っていた。幸司は反対のソファーに目を移すと見知らぬ顔があった。
外国人の女性だった。年は幸司より三つ程上だろうか、整った美しい顔に、肩まで伸びた髪を後ろで無造作にまとめていた。何よりも幸司が驚いたのは彼女の後ろに置かれた棺桶だった。幸司は小声で天馬を小突いた。
「誰?」
「知らん」
天馬は首を横にふり押し黙った。
「全員揃ったね、まず紹介しよう。イギリスからやってきたヴァンパイアハンターのレイナ君だ」
蔵王丸が珍しく神妙な面持ちで紹介した。レイナと呼ばれた女性は表情を変えずに云った。
「レイナ・ベアトリーチェだ…」
「アレ、日本語?イギリスから来たんじゃ…」
幸司が思わず声をあげる。
「レイナ君のお父上は妖庁創設メンバーの一人、薬師院大光明(やくしいんだいこうみょう)様の知り合いでね。日本文化に明るかったそうだ。」
「おかげで日本語だけは喋れるわ」
レイナはぶっきらぼうに言い放った。
「話がそれた。今回仕事は彼女と共同でやってもらいたいんだ」
二人は顔を見合わせ悩んだが、やがて頷いた。
「俺達は別に構いません…それでどんな仕事で?」
蔵王丸が発言する前にレイナが口をひらいた。
「吸血鬼退治よ」
「吸血鬼って…日本じゃ吸血鬼は…」
「知ってるわ。日本ではあの化け物どもと共存してるってことぐらい…」
レイナがほくそ笑んだ。しかし、その目に宿った憎悪を二人は見逃さなかった
「安心なさい。私達が狩るのは、日本に逃げ込んだ海外の吸血鬼…特に問題はないわ」
「確かにな…むしろ不法入国で人襲ってんなら、条約違反だからな…」
天馬が冷静に語たった。蔵王丸がそれに続けた。
「海外の吸血鬼は親玉を倒せば、けりがつく…君達にはここに行ってもらいたい」
咲子が地図を広げた。
つづく
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