ヤス#19
ヤス#19
陽が真っ赤になって水平線に沈んでいった。また、背中で気配を感じた。すぐ後ろは雑木林になっている。その雑木林から、気配を感じたのだ。枝が折れるような音がしている。「ポキッ…ポキン」
辺りは薄暗く、焚き火の周辺だけが炎の灯りでユラユラと揺れ動いていた。雑木林が、また鳴った。動物は棲んでいないと聞いている。ヤスは背筋が凍りそうになった。
「ポキンッ」
「だ、誰かいるのか?」「ポキ」
「うわっ!」
ヤスは尻餅をついた。また、藤壺の上だった…。
「ぎゃああああ!」
「ふおっ、ふおっ …ハナタレはよほど藤壺が好きらしい」
「な…何を言うか!…あたたたたっ」
「ハナタレ、とうとう帰れなかったか。ふおっ、ふおっ」
「お前は…サトリ」
「そうだ。サトリじゃよ」
「し、死んだはずだぞ…確かに埋めた…」
「ああ、まさしく、死んだ」
「では、なぜ?…幽霊か…」
「ハハハ。お前が生き返らせてくれたんじゃよ。ハナタレのお陰じゃ」
「どういう事だ…」
「お前は、ワシを殺した後、丁寧に葬り、ナムアミダブツを唱えたであろう」
「ああ…確かに…」
「そのお陰じゃよ」
「そうだったのか…良かった。とにかく、生き返って良かった」
「そう思うのか?」
陽が真っ赤になって水平線に沈んでいった。また、背中で気配を感じた。すぐ後ろは雑木林になっている。その雑木林から、気配を感じたのだ。枝が折れるような音がしている。「ポキッ…ポキン」
辺りは薄暗く、焚き火の周辺だけが炎の灯りでユラユラと揺れ動いていた。雑木林が、また鳴った。動物は棲んでいないと聞いている。ヤスは背筋が凍りそうになった。
「ポキンッ」
「だ、誰かいるのか?」「ポキ」
「うわっ!」
ヤスは尻餅をついた。また、藤壺の上だった…。
「ぎゃああああ!」
「ふおっ、ふおっ …ハナタレはよほど藤壺が好きらしい」
「な…何を言うか!…あたたたたっ」
「ハナタレ、とうとう帰れなかったか。ふおっ、ふおっ」
「お前は…サトリ」
「そうだ。サトリじゃよ」
「し、死んだはずだぞ…確かに埋めた…」
「ああ、まさしく、死んだ」
「では、なぜ?…幽霊か…」
「ハハハ。お前が生き返らせてくれたんじゃよ。ハナタレのお陰じゃ」
「どういう事だ…」
「お前は、ワシを殺した後、丁寧に葬り、ナムアミダブツを唱えたであろう」
「ああ…確かに…」
「そのお陰じゃよ」
「そうだったのか…良かった。とにかく、生き返って良かった」
「そう思うのか?」
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