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ナイト・オン・ドラグーン【86】話『旋回』

[203]  ミルク  2007-03-25投稿
『ジャック…お前が守護者の一人だったなんて。』

どこか薄笑いを浮かべる親友をアインは見据える。

既にジャックの両手には剣。
自分と戦う気は万全なのだろう。

『そんなことはどうでもいいだろ?アイン、お前は守護者を討ちに来た。そうだろ?』

ケタケタと笑いながら、ジャックは肩を竦める。

アインは剣を抜いた。

対峙して初めてわかるこの威圧感。

長年、剣の稽古を共にしてきたはずなのだが、今までに感じたことのない緊張感だった。

『お前はもう…昔のジャックじゃないのか?』

酷く胸が痛む。友との戦いがこんなにも苦しいとは…
そして、つい非力な言葉出てしまう。

この戦いを避けたいと、説得はできないのかと思う。

『さぁな、ただ俺は神風の守護者としてお前を斬るだけだ。』

冷たくジャックは言い放つ。
その言葉はアインの胸のどこかに穴を開けた。

絶望感が己を満たす。

(ジャック…俺は…俺たちは戦うしか道がないのか?)

『何を迷っておるのだ!小僧!』

レグナが一喝する。
『おぬしがしてきたこと、それらは全て正しいと思うたからこそではないのか?今更、悩むな!敵が友であろうとも戦うことを臆するな』

(あぁ…そうだったな、レグナ!)

アインは振り返り、レグナに頷いてみせた。

『アインっ!』

マナが駆け出そうとするが、レグナが翼で制した。

『小娘、これは小僧の戦いだ。手出し無用。』

でも、とマナは言いかけたが口を固く結んだ。

『わかったよ、ジャック。お前と戦おう』

気持ちを落ち着かせ、剣を握る指先に力を込めた。

『かかってきな!アイン!!』

『お前を斬る!!』

二人が同時に踏み込む。

距離が縮まり、剣と剣が鍔ぜり合った。

そして金属音。

99戦目で止まっていたアインとジャックの死合いが100戦目となって始まった。

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