ナイト・オン・ドラグーン【86】話『旋回』
『ジャック…お前が守護者の一人だったなんて。』
どこか薄笑いを浮かべる親友をアインは見据える。
既にジャックの両手には剣。
自分と戦う気は万全なのだろう。
『そんなことはどうでもいいだろ?アイン、お前は守護者を討ちに来た。そうだろ?』
ケタケタと笑いながら、ジャックは肩を竦める。
アインは剣を抜いた。
対峙して初めてわかるこの威圧感。
長年、剣の稽古を共にしてきたはずなのだが、今までに感じたことのない緊張感だった。
『お前はもう…昔のジャックじゃないのか?』
酷く胸が痛む。友との戦いがこんなにも苦しいとは…
そして、つい非力な言葉出てしまう。
この戦いを避けたいと、説得はできないのかと思う。
『さぁな、ただ俺は神風の守護者としてお前を斬るだけだ。』
冷たくジャックは言い放つ。
その言葉はアインの胸のどこかに穴を開けた。
絶望感が己を満たす。
(ジャック…俺は…俺たちは戦うしか道がないのか?)
『何を迷っておるのだ!小僧!』
レグナが一喝する。
『おぬしがしてきたこと、それらは全て正しいと思うたからこそではないのか?今更、悩むな!敵が友であろうとも戦うことを臆するな』
(あぁ…そうだったな、レグナ!)
アインは振り返り、レグナに頷いてみせた。
『アインっ!』
マナが駆け出そうとするが、レグナが翼で制した。
『小娘、これは小僧の戦いだ。手出し無用。』
でも、とマナは言いかけたが口を固く結んだ。
『わかったよ、ジャック。お前と戦おう』
気持ちを落ち着かせ、剣を握る指先に力を込めた。
『かかってきな!アイン!!』
『お前を斬る!!』
二人が同時に踏み込む。
距離が縮まり、剣と剣が鍔ぜり合った。
そして金属音。
99戦目で止まっていたアインとジャックの死合いが100戦目となって始まった。
どこか薄笑いを浮かべる親友をアインは見据える。
既にジャックの両手には剣。
自分と戦う気は万全なのだろう。
『そんなことはどうでもいいだろ?アイン、お前は守護者を討ちに来た。そうだろ?』
ケタケタと笑いながら、ジャックは肩を竦める。
アインは剣を抜いた。
対峙して初めてわかるこの威圧感。
長年、剣の稽古を共にしてきたはずなのだが、今までに感じたことのない緊張感だった。
『お前はもう…昔のジャックじゃないのか?』
酷く胸が痛む。友との戦いがこんなにも苦しいとは…
そして、つい非力な言葉出てしまう。
この戦いを避けたいと、説得はできないのかと思う。
『さぁな、ただ俺は神風の守護者としてお前を斬るだけだ。』
冷たくジャックは言い放つ。
その言葉はアインの胸のどこかに穴を開けた。
絶望感が己を満たす。
(ジャック…俺は…俺たちは戦うしか道がないのか?)
『何を迷っておるのだ!小僧!』
レグナが一喝する。
『おぬしがしてきたこと、それらは全て正しいと思うたからこそではないのか?今更、悩むな!敵が友であろうとも戦うことを臆するな』
(あぁ…そうだったな、レグナ!)
アインは振り返り、レグナに頷いてみせた。
『アインっ!』
マナが駆け出そうとするが、レグナが翼で制した。
『小娘、これは小僧の戦いだ。手出し無用。』
でも、とマナは言いかけたが口を固く結んだ。
『わかったよ、ジャック。お前と戦おう』
気持ちを落ち着かせ、剣を握る指先に力を込めた。
『かかってきな!アイン!!』
『お前を斬る!!』
二人が同時に踏み込む。
距離が縮まり、剣と剣が鍔ぜり合った。
そして金属音。
99戦目で止まっていたアインとジャックの死合いが100戦目となって始まった。
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